令和 5年度

令和5年4月1日~令和6年3月31日に退院された患者様が対象

令和5年度 今村総合病院 病院情報の公表

病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

医療の質指標

  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 14 250 198 235 439 679 1181 1831 1470 604
【定義】令和5年4月から令和6年3月に一般病棟を退院した患者において集計。
集計条件:
①入院した時点の年齢にて集計。
②患者数が10名未満については、個人情報保護に配慮し表示しておりません。

【解説】
当院は、地域密着型の急性期総合病院として、24時間365日体制で、質の高い充実した救急医療・高度専門医療の提供に日々努めております。
上記は、令和5年度の年齢階級別の退院患者数です。一般病棟を退院した患者数は6901名となっており、5年連続で70代の患者様が最も多くなっています。60歳以上の患者数が5086名と全体の約74%を占めており、高齢者の急性期医療の需要が増加していることが考えられます。
また、10代から20代の若い年齢層では、スポーツ整形外科への入院が多く見られます。
前年度の患者数と比較して、患者数は全体的に増加となりました。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
救急・総合内科(ER)
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 147 14.20 13.52 14.97% 79.16  
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 139 24.23 20.60 34.53% 83.96  
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 手術・処置等2なし 52 32.85 18.65 23.08% 77.69  
070560xx99x00x 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 51 17.00 14.23 9.80% 60.86  
0400801499x002 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なしA-DROP スコア2 45 14.29 15.44 8.89% 83.91  
救急・総合内科(ER)は、24時間365日の診療体制であらゆる症状(発熱・腹痛・倦怠感など)による内科系の疾患を中心に、救急搬送者及び直接来院する急病者への治療・応急処置などをおこなっております。また、どの診療科を受診すればよいか分からない場合の初期対応を行う診療科でもあり、診断・治療等へ繋げる最初の道筋を示す役割を担っております。さらには必要に応じて、院内の他診療科との連携や、他医療機関へ紹介することで患者様が適切な治療が受けられるよう連携を密に取っています。また、感染症・膠原病専門の医師も配置しており、より幅広い診断・治療が可能です。

集計結果は、上位より尿路感染症、誤嚥性肺炎、間質性肺炎、全身性自己免疫疾患、細菌性肺炎に対する内科的治療となります。全身性自己免疫疾患とはいわゆる膠原病のことであり、当院では血管炎、関節リウマチ、SLE(全身性エリテマトーデス)、皮膚筋炎、成人スチル病などが多くを占めています。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 154 7.93 8.75 10.39% 77.37  
060335xx97x00x 胆嚢炎等 その他の手術あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 30 15.80 16.24 26.67% 82.30  
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 29 9.69 8.95 13.79% 75.48  
060102xx99xxxx 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし 27 7.48 7.58 0.00% 65.59  
060035xx04xxxx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 26 7.81 6.45 0.00% 71.04  
消化器内科では、消化管疾患(食道・胃・十二指腸及び小腸・大腸)、胆膵疾患(胆道・膵臓)などを中心とした診療をおこなっております。また、内視鏡的治療においては、内視鏡センターを有し、安全で高度な治療が行える環境を有しております。

集計結果は、総胆管結石、胆管炎等に対するステント留置や結石除去等の内視鏡的治療が最も多く、次いで、胆のう炎等に対する胆道ステント留置等の内視鏡的治療となっています。他にも、腸閉塞や軸捻転・憩室炎に対する投薬などの内科的治療や、早期大腸がんに対する内視鏡的治療を多くおこなっています。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050130xx9900x0 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし他の病院・診療所の病棟からの転院以外 40 23.58 17.38 5.00% 83.20  
050210xx97000x 徐脈性不整脈 手術あり 手術・処置等1なし、1,3あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 15 16.33 9.77 0.00% 79.00  
050070xx9902xx 頻脈性不整脈 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等22あり 12 28.50 17.23 25.00% 76.92  
050070xx99000x 頻脈性不整脈 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 10 14.20 5.97 0.00% 78.80  
050130xx9900x1 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし他の病院・診療所の病棟からの転院 - - - - -  
循環器内科では、血液を全身へ運ぶ役割を担う心臓や血管の病気(狭心症・心筋梗塞・不整脈・心不全など)の治療を中心におこなっております。また、それらに影響を及ぼす生活習慣病(高血圧・糖尿病・脂質異常症(高コレステロール)など)の診断・治療を並行しておこない、病気の予防や早期発見・治療に取り組んでいます。

循環器内科では、うっ血性心不全や慢性心不全などの総称である心不全の症例が最も多く、入院期間の平均は約3週間程度となっております。次いで、洞不全症候群や房室ブロックなどの徐脈性不整脈は、ペースメーカー移植術や交換術等を含む治療法になります。
スポーツ整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160620xx01xxxx 肘、膝の外傷(スポーツ障害等を含む。) 腱縫合術等 202 15.13 13.04 5.45% 23.50  
160620xx02xxxx 肘、膝の外傷(スポーツ障害等を含む。) 関節滑膜切除術等 66 5.35 6.78 4.55% 33.38  
160610xx01xxxx 四肢筋腱損傷 靱帯断裂形成手術等 56 22.82 15.58 75.00% 67.66  
160620xx97xxxx 肘、膝の外傷(スポーツ障害等を含む。) その他の手術あり 21 4.52 5.59 0.00% 29.24  
160720xx97xxxx 肩関節周辺の骨折・脱臼 その他の手術あり 19 6.53 6.31 10.53% 22.37  
スポーツによる障害・外傷(膝の半月板損傷や前十字靱帯損傷・肩関節脱臼など)の治療並びに生活指導・予防などにも取り組んでいます。また、競技種目の特性やスポーツ復帰を考慮した治療・リハビリテーションもおこなっています。膝の靭帯断裂や半月板損傷に対する関節鏡下の手術治療が最も多く、その他には、肩腱板断裂に対する関節鏡下の手術治療など、膝・肩を中心とした疾患が大部分を占めています。

年齢層は、スポーツによる障害・外傷の患者様が多いこともあり、スポーツを盛んにおこなう若い世代が多く、早期に社会復帰できるよう治療に努めています。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 42 15.60 9.88 30.95% 79.31  
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 21 14.10 8.38 38.10% 81.52  
010040x101x1xx 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10以上) 脳血管内手術+脳動静脈奇形摘出術等 手術・処置等2あり - - - - -  
010230xx99x00x てんかん 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし - - - - -  
010030xx03x0xx 未破裂脳動脈瘤 脳血管内手術 手術・処置等2なし - - - - -  
脳神経外科は、脳卒中(脳出血・くも膜下出血・脳梗塞など)・頭部外傷(外傷性硬膜下血腫・硬膜外血腫など)、機能的疾患(三叉神経痛・顔面痙攣など)、脳腫瘍などに対し幅広い領域の外科的治療を中心におこなっております。特に脳卒中に関しては、24時間体制で患者様を受け入れ、「特定集中治療室(ICU)」や「脳卒中ケアユニット(SCU)」と呼ばれる専用病棟でおこなう治療が多くを占めます。

集計結果は、外傷性硬膜下血腫に対する血腫除去を目的とした手術加療が最も多く、次いで、頭蓋・頭蓋内損傷(外傷性硬膜下血腫・脳挫傷など)に対する内科的加療、非外傷性頭蓋内血腫に対する保存的加療や、てんかん(脳が一時的に過剰に興奮することで意識を失ったり、けいれんを引き起こしたりする病気)に対する内科的加療、未破裂性動脈瘤に対する脳血管内手術による加療等もおこなっています。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり片眼 89 2.92 2.54 0.00% 73.33  
020110xx97xxx1 白内障、水晶体の疾患 手術あり両眼 66 4.53 4.46 3.03% 76.61  
020240xx97xxx0 硝子体疾患 手術あり片眼 38 5.84 4.88 0.00% 71.76  
020200xx9710xx 黄斑、後極変性 手術あり 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 21 5.29 5.67 0.00% 76.24  
020160xx97xxx0 網膜剥離 手術あり片眼 13 8.92 7.81 0.00% 62.54  
眼科は、白内障、加齢黄斑変性症、網膜疾患に対する外来診療や入院での手術治療に力を入れています。また、治療後症状が安定した患者様は、地域の医療機関で経過観察を受けて頂けるよう、病診連携にも力を入れています。

集計結果は、白内障に対する手術治療(両眼・片眼)が最も多く、次いで、網膜硝子体疾患の手術治療や、黄斑疾患に対する手術治療、網膜剥離に対する手術治療となっています。年々、白内障や黄斑疾患の手術治療の入院の件数が増加している傾向にあります。白内障手術を外来でおこなう施設が多いですが、当院は総合病院であり、全身疾患や精神疾患を合併した患者様も多く、白内障手術も原則として入院での加療をおこなっています。
放射線科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060050xx97x4xx 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) その他の手術あり 手術・処置等24あり 20 9.85 15.88 0.00% 73.45  
070040xx99x2xx 骨の悪性腫瘍(脊椎を除く。) 手術なし 手術・処置等22あり 12 20.42 20.05 50.00% 71.67  
110080xx9902xx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等22あり 10 36.70 24.53 0.00% 76.80  
050200xx97xxxx 循環器疾患(その他) 手術あり - - - - -  
040170xxxxxx0x 抗酸菌関連疾患(肺結核以外) 定義副傷病なし - - - - -  
放射線科は、放射線又は放射線に類似した超音波や磁気を利用した医療用画像機器等を使用し、画像診断やカテーテルを用いた血管内治療、放射線治療などを中心に診療をおこなっています。特に、平成29年度より高精度放射線治療装置が導入され、腫瘍への治療において患者様への身体的負担を軽減した、専門的な治療をおこなっております。

集計結果は、肝臓・肝内胆管の悪性腫瘍に対する、カテーテル治療(抗がん剤や塞栓物質の注入などによる治療)が最も多く、次いで、転移性の骨腫瘍に対する放射線治療、前立腺の悪性腫瘍に対する放射線治療や、脾動脈瘤等に対する血管内治療、肺非結核性抗酸菌症による血痰等の症状に対しての治療等もおこなっています。集計結果からも分かるように、血管内治療や放射線治療を中心とした診療をおこなっています。
脳神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 定義副傷病なし発症前Rankin Scale 0、1又は2 66 20.74 15.70 36.36% 73.70  
010060x2990201 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等22あり 定義副傷病なし発症前Rankin Scale 0、1又は2 35 15.17 15.57 28.57% 72.86  
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 32 25.69 19.09 59.38% 76.50  
010060x2990411 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 定義副傷病1あり発症前Rankin Scale 0、1又は2 21 18.05 17.39 28.57% 80.05  
010230xx99x00x てんかん 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 20 10.85 7.19 25.00% 71.00  
脳神経内科は、脳卒中(脳梗塞・脳出血など)、神経変性疾患(パーキンソン病・アルツハイマー病など)、神経感染症(髄膜炎・脳炎など)、てんかん・頭痛・認知症など幅広い病気の治療をおこなっております。特に脳卒中に関しては、脳神経外科やリハビリテーション科と密接な協力のもとに、24時間体制で患者様を受け入れ、「脳卒中ケアユニット(SCU)」と呼ばれる専用病棟でおこなう治療が多くを占めます。

集計結果は、発症後早期の急性期症例の脳梗塞に対する治療が最も多く、内科的治療が主体で、治療内容の違いにより分かれております。次いで、脳内出血に対する治療や、てんかんに対する治療もおこなっております。当科入院の約6割以上が脳梗塞の症例であり、転院率が高い要因として、急性期治療後のリハビリテーション継続目的での転院が挙げられます。

※発症前Rankin Scale:脳梗塞発症前おおむね1週間の状態を、脳卒中患者の生活自立度を評価したmodified Rankin Scale(grade0(無症候)からgrade6(死亡))に当てはめたものです。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 39 8.49 9.29 0.00% 66.26  
080006xx01x0xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) 皮膚悪性腫瘍切除術等 手術・処置等2なし 22 7.77 7.22 0.00% 75.73  
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1なし 18 12.67 12.88 5.56% 65.44  
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等 手術・処置等1なし 12 2.33 3.93 0.00% 64.67  
130030xx99x9xx 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等29あり 10 17.80 12.88 10.00% 75.90  
皮膚科では、体全体の皮膚・体毛・爪、また外界と直接触れる部分でもあることから、極めて多種多様な疾患の診断・治療をおこなっています。皮膚の疾患には皮膚だけの病気もありますが、別な疾患と密接に関わるものもあり、皮膚の病気から他の病気がみつかることもあります。

集計結果は、帯状疱疹に対する治療が最も多く、次いで、悪性腫瘍の手術治療、膿皮症(当科では蜂巣炎が多数を占めます)に対する治療や、良性腫瘍の手術治療等もおこない、加えて、皮膚科に関わる血液のがんに対する化学療法による治療もおこなっています。

※膿皮症とは、皮膚が化膿する病気の総称であり、丹毒・伝染性膿化痂症(とびひ)・蜂巣炎などが含まれます。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
11012xxx02xx0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 定義副傷病なし 268 5.23 5.22 4.85% 63.37  
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 94 2.60 2.44 0.00% 71.88  
11012xxx97xx0x 上部尿路疾患 その他の手術あり 定義副傷病なし 61 7.08 7.08 11.48% 69.54  
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2なし 58 6.45 6.85 5.17% 74.91  
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 37 7.92 13.52 5.41% 66.00  
泌尿器科は、腎臓と尿管・膀胱・尿道などの尿路及び、前立腺・精巣などの生殖器の病気を中心に、診療をおこなっております。主な病気としては尿路腫瘍(腎臓・尿管・膀胱など)、生殖器腫瘍(前立腺など)、尿路に発生する尿路結石(腎結石・尿管結石など)、また結石などを原因とする尿路感染症などが挙げられます。特に、尿路結石においては、「尿路結石治療センター」を開設し、治療が困難な結石や多忙な患者様で早期の結石除去を希望する方への対応に取り組んでおります。

集計結果は、腎結石・尿管結石に対する結石除去を目的とした経尿道的手術治療が最も多く、次いで、前立腺の悪性腫瘍疑いに対する針生検検査(多くが1泊2日の入院)、結石を伴う腎盂腎炎や尿管狭窄に対する経尿道的手術治療や、膀胱悪性腫瘍の内視鏡的手術治療、急性腎盂腎炎等の尿路感染症に対する内科的治療等もおこなっております。患者様の平均年齢は、60歳から70歳代が多く、入院期間は、1週間程度となっております。早期退院を希望する患者様の要望に応えられるよう治療に努めております。
婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの等 19 6.21 6.00 0.00% 43.32  
12002xxx99x40x 子宮頸・体部の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等24あり 定義副傷病なし 15 2.87 4.18 0.00% 49.40  
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍 腹腔鏡下腟式子宮全摘術等 12 5.58 5.93 0.00% 47.33  
12002xxx02x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮頸部(腟部)切除術等 手術・処置等2なし 10 2.90 2.96 0.00% 49.10  
120010xx99x50x 卵巣・子宮附属器の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等25あり 定義副傷病なし - - - - -  
婦人科では、卵巣腫瘍や子宮筋腫など良性腫瘍に対する低侵襲手術(腹腔鏡手術等)が上位を占めており、去年と比較すると増加傾向にあります。また、早期子宮頚がんまたは子宮頚がんの前癌病変である子宮頚部異形成に対する円錐切除術をおこない、子宮頸がんの早期治療と妊孕性温存に寄与しています。悪性腫瘍の治療としては、子宮がんや卵巣がんに対する抗癌剤治療を、比較的短い入院期間で安全に治療がおこなえるよう努めております。
腎臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx9901xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等21あり 27 17.00 13.81 37.04% 69.93  
110280xx9900xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 16 19.69 11.49 37.50% 60.06  
110260xx99x0xx ネフローゼ症候群 手術なし 手術・処置等2なし 14 31.71 19.94 21.43% 68.79  
110280xx991xxx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1あり 11 6.73 6.44 0.00% 42.36  
110280xx97x1xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 その他の手術あり 手術・処置等21あり 10 18.40 24.61 50.00% 62.60  
腎臓内科は、蛋白尿・血尿などが出る慢性糸球体腎炎、高度の蛋白尿にむくみや胸水・腹水などを伴うネフローゼ症候群、腎臓の機能が低下した腎不全、腎臓の機能が著しく低下した末期腎不全に対する腎代替療法(血液透析・腹膜透析など)の導入や維持管理など、腎臓病に対し診断・治療を幅広くおこなっております。

集計結果は、慢性腎不全などに対する治療が上位を占めております。治療内容としては、腎機能悪化に対する内科的加療(保存的加療)、透析導入を目的とした手術(内シャント設置術)及び維持透析導入・維持透析不良に伴う管理などです。個々の患者様の病状により入院期間が異なりますが、平均で3週間程度となっております。
血液内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
130030xx99x9xx 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等29あり 34 20.59 12.88 2.94% 70.85  
130010xx97x9xx 急性白血病 手術あり 手術・処置等29あり 24 33.67 34.93 4.17% 65.08  
130030xx99x5xx 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等25あり 24 25.92 19.61 12.50% 72.92  
130030xx97x3xx 非ホジキンリンパ腫 手術あり 手術・処置等23あり 21 35.24 28.89 19.05% 63.76  
130060xx97x00x 骨髄異形成症候群 手術あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 20 10.15 15.17 5.00% 66.40  
血液内科では、血液の病気全般の診療をおこなっています。代表的な血液の病気には、白血病・悪性リンパ腫・多発性骨髄腫・骨髄異形成症候群(MDS)などの腫瘍性疾患、貧血・血小板減少症などの非腫瘍性疾患が挙げられます。中でも、非ホジキンリンパ腫に含まれる成人T細胞性白血病/リンパ腫(ATL)の診断・治療に関しては非常に高い診療実績を誇っています。また、造血幹細胞移植(自家・同種(血縁/非血縁/臍帯血))にも積極的に取り組んでおります。

集計結果は、上位4つを腫瘍性疾患に対する抗がん剤治療(化学療法)が占めています。手術ありは支持療法としての輸血療法などです。加えて、骨髄異形成症候群(MDS)に対する治療もおこなっており、こちらも手術ありは支持療法としての輸血療法となります。血液内科が扱う血液のがんは、抗がん剤を用いた治療が中心となっています。入院初期では診断や病状・進行状況に加え治療をおこなう上での全身状態等の把握は重要で、さらに、治療中も常に病勢を把握しより適切な治療をおこないます。入院期間は個々の患者様の病態により異なりますが、全国平均より若干長くなっています。
消化器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 107 4.50 4.55 0.93% 68.30  
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 86 5.48 5.98 0.00% 60.43  
060335xx02000x 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 53 6.47 6.87 3.77% 63.66  
060035xx010x0x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1なし 定義副傷病なし 43 14.00 15.12 18.60% 73.23  
060150xx99xxxx 虫垂炎 手術なし 39 8.67 8.02 5.13% 52.82  
外科・消化器外科では鼠径ヘルニア、胆嚢結石症、虫垂炎などの良性疾患から大腸癌をはじめとした胃癌、甲状腺癌などの悪性疾患に対する治療をおこなっています。胆嚢結石症や虫垂炎、腹膜炎は緊急手術にも対応しておりますが、抗菌薬を投与し炎症を沈め、数ヶ月後に計画的に手術をおこなうこともあります。悪性疾患に対する治療は、特に専門的に取り組んでおり、診断から手術、抗がん剤治療までおこなっています。当院での手術の多くは、低侵襲の腹腔鏡下手術をおこなっており、傷口が小さく、術後の回復が早いことが大きなメリットです。入院期間も比較的短いため早期の社会復帰を目指すことができます。また、令和4年から直腸癌に対するロボット支援手術(ダヴィンチ手術)を開始しました。
【定義】令和5年4月から、令和6年3月に退院した患者であり、一般病棟に入院した患者において集計。
集計条件:
①同じ疾患に対し、複数の診療科で診療を行った場合、医療資源を最も投入した傷病の診療を担当した
医師の所属する診療科にて集計。
②1入院期間に複数のDPCコードが存在する場合は、直近の分にて集計。
③患者数が10名未満については、個人情報保護に配慮し表示しておりません。
※診療科によっては、症例数が10症例未満のため、表示されない診療科もありますのでご了承ください。

【解説】入院診療における、各診療科のDPC名称別上位5疾患をあらわしたものです。
それぞれの診療科がどのような疾患を多く診療しているかが分かります。1回の入院期間で、2診療科以上の診療科に入院した場合は、医療資源が最もかかった傷病の担当医が所属する診療科で集計されています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
  初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 29 - 15 20 - 21 1 8
大腸癌 15 50 43 66 - 40 2 9
乳癌 0 0 0 0 0 0 1 8
肺癌 - 0 - - - - 1 8
肝癌 0 - - - - 22 2 6
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
【定義】令和5年4月から令和6年3月に退院した患者であり、一般病棟に入院した患者において集計。
集計条件:
①5大がん(胃がん・大腸がん・乳がん・肺がん・肝がん)を対象症例とする。
②5大がんにおける、初発・再発症例を分けて集計。
③初発症例の、胃がん・乳がん・肺がんは国際的に使用されているUICC(国際対がん連合)の病期分類に
て、また大腸がん・肝がんについては、日本国内の各学会で定めたがん取扱い規約に基づいて集計とする。
④患者数の集計は、延患者数とする。
※例えば一連の治療期間に複数回の入退院を繰り返した場合、繰り返した回数分を件数として集計。
⑤患者数が10名未満については、個人情報保護に配慮し表示しておりません。

【用語の意味】
初発・・最初に発生するがん。

再発・・初発治療後に目に見えなく、わずかに残っていたところから再び発生するがん。

UICC病期分類・・UICC(国際対がん連合)日本委員会にて定められた、部位別のがんについて進行程度、広がりを示す指標。

【病期分類の見方】
ステージ0・・癌が上皮内にとどまっている。

ステージⅠ・・癌が少し拡がっているが筋肉の層まででとどまっている。
転移していない。

ステージⅡ・・ステージⅠの筋肉の層を超えて少し浸潤(拡がること)している。
または、リンパ節に少し転移している。

ステージⅢ・・癌がステージⅡより更に浸潤しており、リンパ節転移もみられる。

ステージⅣ・・癌が離れた他の臓器やリンパ節へ転移している。

【解説】
全国的に罹患数の多い5大がん(胃がん・大腸がん・肝臓がん・肺がん・乳がん)のステージ(病期分類)ごとの症例について集計しました。ステージが高くなるにつれて、がんが進んでいることを表しています。当院は、鹿児島県がん診療指定病院の指定を受けており、専門的ながん治療が行えるよう努めております。がんの進行度により、手術・化学療法・放射線治療・ホルモン療法などを組み合わせた集学的治療ができる施設となっております。また、当院ではがんに関する質問・相談に対応する「がん相談支援部」や、がん患者様、そのご家族様向けの「がんサロン」も開催しています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
  患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 24 8.38 54.75
中等症 121 12.31 74.24
重症 39 21.26 83.54
超重症 - - -
不明 0 0.00 0.00
【定義】令和5年4月から令和6年3月に退院した患者であり、一般病棟に入院した成人(20歳以上)の患者において集計。
集計条件:
①市中肺炎ガイドラインによる重症度分類(A-DROPスコア)に基づき集計。
②ウイルスが原因として起こる肺炎・誤嚥による誤嚥性肺炎は除く。
③患者数が10名未満については、個人情報保護に配慮し表示しておりません。

【用語の意味】
重症度分類(A-DROPスコア)とは、肺炎の重症度を評価するもので、下記の5つの項目により判定され、「軽症・中等症・重症・超重症」に分けられます。
・A(Age;年齢):男性70歳以上、女性75歳以上
・D(Dehydration;脱水):BUN(尿素窒素) 21mg/dL以上、または脱水あり
・R(Respiration;呼吸):SpO2(酸素飽和度) 90%以下(PaO2〈動脈血酸素分圧〉 60Torr以下)
・O(Orientation;見当識):意識障害あり
・P(Pressure;血圧):血圧(収縮期)90mmHg以下

【解説】
市中肺炎とは、普段の社会生活を送っている中で罹患した肺炎のことをいいます。高齢者では症状がはっきりしない場合もあります。原因菌の多くは肺炎球菌(はいえんきゅうきん)ですが、原因の鑑別により治療方法が変わるため、早期に原因検索と適切な抗菌薬等の投与が必要となります。
当院では、救急・総合内科(ER)が中心となり、軽症から超重症まで幅広い状態の患者様に対して治療を行っております。また、肺炎の重症度が高くなるにつれて入院日数が長くなり、平均年齢も高くなる傾向にあります。ご高齢の方は重症化予防のために、肺炎球菌ワクチンの定期接種も有効です。肺炎は早期治療を適切に行わなければ重症化リスクが高まるため、早めの受診が大切です。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 313 33.89 77.20 36.66%
その他 28 36.00 75.11 1.76%
【定義】令和5年4月から令和6年3月に退院した患者であり、一般病棟に入院した患者において集計。
集計条件:
①発症日から「3日以内」と、「4日以降又は無症候性(発症日なし)」を「その他」として集計。
②患者数が10名未満については、個人情報保護に配慮し表示しておりません。

【解説】
脳梗塞とは、脳の血管が様々な原因で細くなったり詰まったりして脳に酸素や栄養が送れなくなり、それにより、脳組織が壊死または壊死に近い状態になってしまう病気です。主な原因としては生活習慣病(高血圧、高脂血症、糖尿病など)、心臓内で発生した血栓などが挙げられます。発生する場所や治療の遅れにより死亡するケースや、麻痺などの重い後遺症が残るケースもあります。しかし、発症後早期に治療(血栓溶解療法や血栓回収術など)・リハビリを開始することで社会復帰の可能性が高くなります。当院の患者状況として、発症後まもない急性期の脳梗塞の患者数が多くなっています。当院では、超急性期の専門的治療を始めとする脳卒中治療をおこなっています。脳神経外科及び脳神経内科医の連携による脳卒中ケアユニット(SCU)と呼ばれる専用病棟での治療に加え、リハビリテーション科とも連携し治療がおこなわれております。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
救急・総合内科(ER)
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 17 1.88 32.94 52.94% 81.06  
K654 内視鏡的消化管止血術 - - - - -  
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2cm未満 - - - - -  
K386 気管切開術 - - - - -  
K6072 血管結紮術 その他のもの - - - - -  
救急・総合内科(ER)は24時間365日患者様の診療に応じています。救急受診した患者様のあらゆる疾患の治療を担っており、必要に応じて緊急処置をおこないます。
救急・総合内科(ER)特有の手術として、気道の確保が必要な患者様に対し「気管切開術」が実施されております。また、より専門的な治療が必要な場合には、院内の他診療科と密に連携を取り治療に当たっております。そのため集計では、連携先の診療科(泌尿器科・消化器内科等)にて実施される手術も上位5つに挙がっております。
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 134 1.13 8.25 15.67% 78.43  
K654 内視鏡的消化管止血術 43 1.23 10.12 25.58% 74.44  
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む。) 40 1.15 9.75 57.50% 79.90  
K6871 内視鏡的乳頭切開術 乳頭括約筋切開のみのもの 38 1.29 9.45 23.68% 77.16  
K721-4 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 30 0.87 6.00 0.00% 70.60  
消化器内科では消化管(食道・胃・十二指腸・小腸・大腸)・胆嚢・胆管・膵臓等を対象に、患者様のQOL(生活の質)を考慮した低侵襲検査・治療(超音波検査・内視鏡治療など)を行っています。

最も多い手術は内視鏡的胆道ステント留置術であり、胆道結石やがん等により、胆管が狭くなり胆汁がうっ滞することで起こる、閉塞性黄疸に対しおこないます。ステントを入れることで胆汁うっ滞による炎症や黄疸が改善します。その際に内視鏡的乳頭切開術を併せておこなうケースもあり、十二指腸乳頭部を切開し、開口部を広げてステントを挿入します。内視鏡的乳頭切開術は総胆管結石を排石する際にもおこなわれます。他にも、胃・十二指腸潰瘍や毛細血管拡張症等、さまざまな消化管出血に対しておこなう内視鏡的止血術が挙がっています。また、口から充分に栄養がとれない患者様に、内視鏡を併用して胃に栄養を送るための小さな穴を作り、その穴にチューブを留置する胃瘻造設術や、早期の大腸がんに対しお腹を切らず内視鏡的にがんを摘出する早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術(ESD)も上位に挙がっています。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5972 ペースメーカー移植術 経静脈電極の場合 12 5.92 16.17 8.33% 77.33  
K597-2 ペースメーカー交換術 - - - - -  
K597-3 植込型心電図記録計移植術 - - - - -  
K654 内視鏡的消化管止血術 - - - - -  
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む。) - - - - -  
心臓は一定のリズムで収縮と拡張を繰り返し全身へ血液を送り続けています。一定のリズムは、心臓の電気的興奮により制御されています。この制御部分の機能が低下すると当然、心臓のリズムが遅くなってしまい、一時的に脳への血液が不足し、めまい・ふらつき・失神などの症状が出現します。これを「徐脈性不整脈」と言います。その中でも、専門的な病名として「完全房室ブロック」・「洞機能不全症候群」があり、これらに対する治療法の一つとして、ペースメーカーと呼ばれる心臓を一定のリズムに保つための装置を体内に埋め込む「ペースメーカー移植術」があります。また、ペースメーカーは電池で作動しており、電池が少なくなると交換の必要があります。循環器内科における上位は、ペースメーカーに関連した手術が多くを占めています。
スポーツ整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K079-21 関節鏡下靱帯断裂形成手術 十字靭帯 146 1.05 14.86 0.68% 21.97  
K068-2 関節鏡下半月板切除術 55 1.04 2.95 3.64% 33.33  
K069-3 関節鏡下半月板縫合術 48 0.98 8.29 18.75% 28.27  
K0483 骨内異物(挿入物を含む。)除去術 前腕、下腿 28 1.00 1.96 0.00% 37.07  
K080-43 関節鏡下肩腱板断裂手術 複雑なもの 26 1.00 21.92 80.77% 69.81  
スポーツ整形外科で最も多い手術は「関節鏡下靭帯断裂形成手術(十字靭帯)」であり、スポーツなどが原因で断裂してしまった膝の十字靭帯を治療するための手術で、関節鏡と呼ばれる内視鏡の一種を用いて行われます。2番目に多い「関節鏡下半月板切除術」は、膝関節の動きをサポートし衝撃を分散する役目を果たす半月板が何らかの理由で傷がついたり割れたりすることで、半月板が本来の役目を果たせなくなります。その結果、歩行時や膝の曲げ伸ばしの際に痛みを生じてしまうため、その損傷した半月板の部位を切除します。その他にも、肩腱板断裂(いわゆる肩のスジが切れた状態)に対して関節鏡と呼ばれる内視鏡の一種を用いておこなわれる、「関節鏡下肩腱板断裂手術」の症例数も増加傾向にあります。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 38 1.68 14.34 34.21% 80.42  
K1643 頭蓋内血腫除去術(開頭して行うもの) 脳内のもの 14 0.21 60.07 71.43% 72.86  
K1781 脳血管内手術 1箇所 11 0.64 23.18 9.09% 56.18  
K1742 水頭症手術 シャント手術 - - - - -  
K145 穿頭脳室ドレナージ術 - - - - -  
脳神経外科では、慢性硬膜下血腫(通常、頭部外傷後に一定時間経過して血液が貯留する)に対する手術治療(頭蓋骨に小さな孔をあけ血腫を吸引除去する手術)が最も多くなっています。次に、頭蓋骨を大きく開け、血腫を除去する手術が挙がっています。開頭することで脳の圧迫を解除することができ、二次的に起きる脳のむくみを軽減することができます。その他、皮膚を切ったり頭蓋骨を開けたりすることなく血管の中からアプローチする、脳血管内手術が挙がっています。開頭による大きな傷ができず、感染の危険も低いため患者様に及ぼすダメージが少ない低侵襲治療です。また、水頭症に対するシャント手術や、穿頭脳室ドレナージ術などの手術治療もおこなっております。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術 眼内レンズを挿入する場合 その他のもの 154 0.56 2.30 1.95% 74.62  
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術 網膜付着組織を含むもの 48 0.21 5.56 0.00% 70.83  
K2802 硝子体茎顕微鏡下離断術 その他のもの 22 0.45 4.86 0.00% 73.68  
K279 硝子体切除術 - - - - -  
K281 増殖性硝子体網膜症手術 - - - - -  
眼科では、白内障に対する「水晶体再建術」が去年と同様最も多い手術となっています。「水晶体再建術」とは混濁した水晶体を除去する治療です。ほとんどの症例で眼内レンズ挿入を同時におこないます。次に多い手術は網膜硝子体に関する手術です。硝子体とは眼内を満たす無色透明のゼリー状の物質で、硝子体が網膜を引っ張ることで、網膜剥離や硝子体出血といった病気を起こります。これらの疾患の治療に加え、硝子体混濁、網膜前膜(黄斑前膜)、糖尿病性網膜症などの疾患に対して治療がおこなわれています。
放射線科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6152 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等) 選択的動脈化学塞栓術 32 2.38 7.63 15.63% 71.22  
K6153 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等) その他のもの 24 0.96 6.67 12.50% 68.13  
K635 胸水・腹水濾過濃縮再静注法 - - - - -  
K691-2 経皮的肝膿瘍ドレナージ術 - - - - -  
K0051 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部) 長径2cm未満 - - - - -  
放射線科では、カテーテルと呼ばれる細い管を用いた血管内治療が多くを占めます。このカテーテル治療は、足の付け根などから血管内へ挿入し、X線透視下でカテーテルを操作し、悪性腫瘍・血管性病変・出血などに対し治療をおこなうものです。放射線科では、悪性腫瘍に対する抗がん剤治療や、腫瘍に栄養を送る動脈を遮断する塞栓物質の注入などによる治療を主におこなっております。その他、がんや肝硬変などによって溜まった腹水や胸水から不要な物質を除去して再び体内に戻す「胸水・腹水濾過濃縮再静注法」や、細菌感染などによって肝臓に膿(ウミ)が袋状に溜まってしまう肝膿瘍に対し、膿(ウミ)を体外へ排出する「経皮的肝膿瘍ドレナージ術」もおこなっています。
脳神経内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K178-4 経皮的脳血栓回収術 10 0.10 22.00 60.00% 79.00  
K609-2 経皮的頸動脈ステント留置術 - - - - -  
K654 内視鏡的消化管止血術 - - - - -  
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 - - - - -  
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 - - - - -  
脳神経内科では、脳出血や脳梗塞等が含まれる脳血管疾患や、パーキンソン病、てんかんなどの患者が多くを占め、内科的治療を主体におこなっております。外科的治療では、超急性期脳梗塞症例に対する血栓回収術が最も多くなっております。

※経皮的脳血栓回収術とは
大腿部の太い動脈よりカテーテルと呼ばれる細い管を挿入して行う血管内治療の一つで、脳梗塞の原因である、脳の血管に詰まった血栓を直接回収・除去する手術のことです。
皮膚科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術 単純切除 18 0.61 4.44 0.00% 73.50  
K0063 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外) 長径6cm以上12cm未満 - - - - -  
K0051 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部) 長径2cm未満 - - - - -  
K0152 皮弁作成術、移動術、切断術、遷延皮弁術 25c㎡以上100c㎡未満 - - - - -  
K0053 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部) 長径4cm以上 - - - - -  
皮膚にできた腫瘍の大きさ・場所・形状により手術の術式(手術法の分類)が多く分かれております。当院では皮膚悪性腫瘍手術やサイズの大きい腫瘍の手術を多く入院で行っています。

※露出部とは半袖、半ズボン、帽子着用で外から見える部分のことを指します。

手術全体の中では入院以外の日帰り手術が中心となっており、入院と日帰りで年間延べ188件の手術を行っています。日帰りでは、1位 皮膚腫瘍摘出術(露出部以外)(長径3㎝未満)22件、2位 皮膚切開術(長径10センチメートル未満)21件、3位 皮膚,皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2㎝未満)18件、4位 皮膚,皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2㎝以上,4㎝未満)14件、5位 皮膚腫瘍摘出術(露出部以外)(長径3㎝以上,6㎝未満)11件続いて皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除)10件、創傷処理(筋肉、臓器に達しないもの(長径5センチメートル未満))9件、皮弁作成術・移動術・切断術・遷延皮弁術(25cm2未満)8件、皮膚,皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径3㎝未満)6件などの手術を行っています。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7811 経尿道的尿路結石除去術 レーザーによるもの 259 1.35 2.81 4.25% 62.95  
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 108 0.59 6.74 15.74% 69.79  
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 電解質溶液利用のもの 57 1.53 4.07 5.26% 74.75  
K775 経皮的腎(腎盂)瘻造設術 34 0.65 18.65 32.35% 76.41  
K843-4 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いるもの) 27 1.00 8.37 0.00% 67.30  
当院の泌尿器科は、尿路結石治療センターを有しており、尿路結石に対するまたはそれに付随する手術を最も多くおこなっています。経尿道的尿路結石除去術(レーザーによるもの)は去年同様最も多く、次いで、経尿道的尿管ステント留置術となっています。また、がん治療にも積極的に取り組んでおり、尿道から内視鏡を入れて膀胱に出来た悪性腫瘍に対して行われるTUR-Bt(経尿道的膀胱悪性腫瘍切除術)もおこなっています。膀胱に発生した悪性腫瘍は再発も多く、同じ手術が繰り返し必要となる場合や病状の進行度によっては、膀胱全摘出術を余儀なくされる場合があります。また他にも、前立腺がん・腎がんの治療もおこなっており、低侵襲の手術である腹腔鏡を使った手術により、短い入院期間での治療が可能となっています。また、ロボット支援手術(ダヴィンチ手術)により、より精度の高い手術を積極的におこなっています。

※腹腔鏡手術とは
腹部に3~15ミリ程度の穴を数か所開けて、そこから腹腔鏡や専用の手術器具を挿入し、モニターに映し出される腹腔内の様子を観察しながら手術を行う方法です。開腹手術よりも患者の身体的負担が少なく、回復も早いとされています。
婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側) 腹腔鏡によるもの 22 1.00 4.00 0.00% 43.09  
K877 子宮全摘術 11 1.00 7.36 0.00% 50.64  
K867 子宮頸部(腟部)切除術 10 0.90 1.00 0.00% 49.10  
K877-2 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 - - - - -  
K861 子宮内膜掻爬術 - - - - -  
婦人科の手術患者数は、良性卵巣腫瘍に対しておこなう腹腔鏡下子宮附属器腫瘍摘出術や、子宮筋腫(子宮の筋層にできる良性腫瘍)に対しておこなう子宮全摘術が上位に挙がっております。子宮筋腫の大きさにより、腹腔鏡下子宮全摘術や子宮鏡下手術も積極的におこない、低侵襲手術努めております。早期子宮頸がんや子宮頚がんの前癌病変である子宮頚部異形成に対する子宮頚部(膣部)切除術もおこなっており、去年と比較すると全体的に手術件数が増加傾向にあります。
腎臓内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術 内シャント造設術 単純なもの 16 12.44 18.63 25.00% 66.88  
K6181 中心静脈注射用植込型カテーテル設置 四肢に設置した場合 - - - - -  
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 - - - - -  
K060-31 化膿性又は結核性関節炎掻爬術 肩、股、膝 - - - - -  
K2762 網膜光凝固術 その他特殊なもの(一連につき) - - - - -  
腎臓内科では、血液透析導入の準備となる内シャント設置術を最も多くおこなっています。穿刺しやすく止血しやすい場所に、血液透析の実施に必要な十分な血液を確保できる血管を得るために、動脈と静脈をつなげて勢いの良い血管を作成する手術になります。また緊急時ブラッドアクセスカテーテルとよばれる、上記が間に合わない、もしくはできない場合に血液透析を実施する目的で、太い血管内に送脱血用のカテーテルを設置する手術(中心静脈注射用植込型カテーテルに準じて算定)もおこなわれています。
血液内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K9212ロ 造血幹細胞採取(一連につき) 末梢血幹細胞採取 自家移植の場合 15 11.20 3.13 0.00% 61.13  
K6112 抗悪性腫瘍剤動脈、静脈又は腹腔内持続注入用植込型カテーテル設置 四肢に設置した場合 - - - - -  
K6261 リンパ節摘出術 長径3cm未満 - - - - -  
K654 内視鏡的消化管止血術 - - - - -  
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 - - - - -  
血液内科では、血液のがんに対して抗がん剤等を用いた治療が中心となり、外科的手術は殆どありません。当院の特徴として、難治性造血器腫瘍に対しての造血幹細胞移植術を積極的に取り組んでおり、また自家末梢血幹細胞移植併用大量化学療法や同種末梢血幹細胞移植をおこなう上で必要な、血球分離装置を用いた末梢血幹細胞採取術もおこなっており、これらが多くを占めています。次いで、抗がん剤を投与するためのカテーテル設置術や、がんの診断に用いられるリンパ節摘出術となっています。

※本集計の方法において、臓器移植は集計対象外となっており造血幹細胞移植(自家・同種(血縁/非血縁/臍帯血))をおこなっていますが集計より除外されております。
消化器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 147 1.30 4.05 1.36% 61.79  
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 95 1.09 2.29 1.05% 67.45  
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 50 3.12 11.94 26.00% 72.94  
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの 35 1.11 3.49 0.00% 37.34  
K719-21 腹腔鏡下結腸切除術 小範囲切除、結腸半側切除 24 1.96 8.79 12.50% 57.04  
外科・消化器外科では上位5位全てが低侵襲性の腹腔鏡下手術となっています。
①「腹腔鏡下胆嚢摘出術」胆石症やそれに伴う胆嚢炎に対する手術です。お腹の数カ所に小さな穴を開け、長い鉗子やエネルギーデバイスを使用して胆嚢を摘出する手術です。胆嚢摘出術のほとんどを腹腔鏡で行っており、胆嚢炎や以前は行っていなかった他の開腹手術歴のある患者様にも積極的に行っています。
②「腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術」鼠径ヘルニアとは、お腹の中の腸・脂肪組織の一部が、鼠径部の筋肉のすき間から皮膚の下に出てくる病気です。古くから脱腸と呼ばれているものです。従来は、そのすき間の下腹部を切開して閉鎖する手術が一般的でしたが、再発の防止と確実な閉鎖を目的として、腹腔鏡下にてお腹の内側から閉鎖する手術が多くなりました。
③「腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術」大腸(結腸)の癌を切除する手術です。ほとんどの症例が腹腔鏡手術で行われています。
④「腹腔鏡下虫垂切除術」急性虫垂炎に対して虫垂を切除する手術です。緊急で手術を行う場合や、一旦炎症を沈めた後、計画的に手術を行う場合もあります。虫垂切除の多くが腹腔鏡下で手術が行われています。
⑤「腹腔鏡下結腸切除術(小範囲切除、結腸半側切除)」悪性腫瘍ではなくても大腸憩室炎や大腸憩室穿孔、炎症性腸疾患などにより大腸切除が必要になる場合があります。他の手術と同様で、腹腔鏡下手術を用いることで手術後の傷跡も小さく、開腹手術よりも早期回復が大きなメリットとなります。

※エネルギーデバイスとは、手術中は高周波、超音波、マイクロ波などのエネルギーを発する器具を使い、組織や臓器を切開したり、切離部分からの出血を止めたりしています。エネルギーデバイスとはこれらの手術器具の総称です。
※腹腔鏡手術とは、腹部に3~15ミリ程度の穴を数か所開けて、そこから腹腔鏡や専用の手術器具を挿入し、モニターに映し出される腹腔内の様子を観察しながら手術を行う方法です。
【定義】令和5年4月から令和6年3月に退院した患者であり、一般病棟に入院した患者において集計。
集計条件:
①厚生労働省が定める、医科点数表に基づくKコード・名称を使用。
②各診療科別に手術件数の多い順に5つ選択。但し軽微な手術、件数が10件未満及び、臓器移植については集計対象外とする。
③複数の手術を同時に行った場合、主たる手術(又は点数の高い手術)を集計する。
④患者数が10名未満については、個人情報保護に配慮し表示しておりません。
※診療科によっては、症例数が10件未満のため、表示されない診療科もありますのでご了承下さい。
※院内の他診療科によって施行された手術が集計結果に反映される場合があります。

【解説】
各診療科別に手術件数の多い上位5つの手術につき、平均術前日数(手術を行うまでにかかった入院日数の平均)・平均術後日数(手術後退院までにかかった入院日数の平均)・転院率(他医療機関への退院)・平均年齢を集計したものです。当院の各診療科において、どのような手術が何件行われているか、手術前後の入院日数・転院の割合・平均年齢などが分かります。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 18 0.26%
異なる 20 0.29%
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 30 0.43%
異なる 13 0.19%
【定義】集計期間と対象:令和5年4月から令和6年3月に退院した患者であり、一般病棟に入院した患者において集計。
集計条件:
①一連の入院期間の中で、一般病棟を含むその他の病棟(精神科病棟・回復期リハビリ 
テーション病棟)へ複数回転棟した場合、一般病棟の部分に限定した集計とする。
②今回の入院における「入院契機(入院のきっかけとなった病名)」・「最も医療資源を投
入した病名」が(同一)か(異なる)に分けて患者数・発生率を集計。
③発生率を算出する分母は、一般病棟から退室した患者数とする。
④症例数が10名未満については、個人情報保護に配慮し表示しておりません。

※入院契機と「同一」はある病気の診療目的で入院し、その病気の治療を行ったことを表し、入院契機と「異なる」は、ある病気の診療目的で入院したが入院時より併発していた、もしくは入院中に違う病気が発生し、その治療が主となってしまった場合を表します。

【解説】
各医療機関における医療の質の改善のため、臨床上ゼロにはなりませんが、少しでも発生の改善すべき症例として、播種性血管内凝固、敗血症、その他の真菌症、手術・術後の合併症が挙げられています。そこで、「入院契機(入院のきっかけとなった病名)」と「最も医療資源を投入した病名」において同一性の有無を区別し、当院における症例数と発生率を示しています。 

◆播種性血管内凝固症候群(DIC)
さまざまな疾患が原因で全身の血管内で容易に出血が多発し、血栓(血の塊)ができやすくなり小さな血管を詰まらせる全身性の重篤な病気です。全身で出血・止血が繰り返されるため、止血に必要な血小板と凝固因子を使い果たし、大量出血を引き起こし、治療が遅れれば死に至ることも少なくありません。

◆敗血症
細菌やウイルスなどにより体のある部分で感染症を起こしている場所から血液中にその病原体が入り込み、全身に病原体が巡り重篤な全身症状を引き起こす病気です。背景として悪性腫瘍、血液疾患、糖尿病、肝・腎疾患、膠原病といった基礎疾患がある場合、あるいは高齢者、幼児、手術後の方が敗血症になるリスクが高いです。

◆真菌症
真菌が肺や皮膚から入り込みそれぞれの臓器に定着することに起因する感染症で、体の免疫力が低下した時に起こる病気です。代表的な真菌症として、白癬(水虫、たむし)、カンジダ症などがあります。

◆手術・処置等の合併症
手術や処置などに一定割合で発生してしまう病態です。術後出血や創部感染などが挙げられます。

患者様の状態によって起きる割合や状況は様々で、臨床上『ゼロ』にすることは困難ですが、細心の注意を払い安心・安全な医療を提供しています。
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率ファイルをダウンロード
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
1025 980 95.61%
【定義】集計期間と対象:令和5年4月から令和6年3月に退院した患者において集計。
集計条件:
①一般病棟に1回以上入院した患者である。
②24時間以内に死亡した患者、生後1週間以内に死亡した新生児、臓器移植は集計対象外とする。
③リスクレベルが「中」以上の手術は、「肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断、治療、予防に関するガイドライン(2017年改訂版)」(日本循環器学会等)に準じて抽出する。

【算出方法】
(分母のうち、肺血栓塞栓症の予防対策が実施された患者数/肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが「中」以上の手術を施行した退院患者数)×100

【解説】
肺血栓塞栓症は、発生すると突然死を引き起こす可能性のある極めて重篤な合併症の一つであり、大手術後や長期間臥床状態が続くことが発生のリスクになります。特にリスクレベル「中」以上の手術を施行する場合は、その予防対策の実施が、発生率を下げるために重要となります。予防方法としては、弾性ストッキングの着用や抗凝固薬療法、間歇的空気圧装置の使用などがあり、ガイドラインに沿った診療プロセスの構築がなされているかの指標となります。
血液培養2セット実施率ファイルをダウンロード
血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
5085 3631 71.41%
【定義】集計期間と対象
集計条件:
①令和5年4月1日から令和6年3月31日までの間に「細菌培養同定検査(血液)」を実施した患者である

【算出方法】
(血液培養オーダーが1日に2件以上ある日数/血液培養オーダー日数)×100

【解説】
広域抗菌薬を使用する際、投与開始時に血液培養検査を行うことが望ましいプラクティスとされています。また、血液培養は1セットのみの場合、偽陽性を示すこともあり、過剰治療を防ぐためにも2セット以上行うことが推奨されています。本指標は、血液培養検査を行う際、2セット以上の検査が実施された割合を示しています。
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率ファイルをダウンロード
広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
1183 905 76.50%
【定義】集計期間と対象:令和5年4月から令和6年3月に退院した患者において集計。
集計条件:
①一般病棟に1回以上入院した患者である
②24時間以内に死亡した患者、生後1週間以内に死亡した新生児、臓器移植は集計対象外とする
③下記の薬価基準コードを広域スペクトル抗菌薬と定義して集計する

【薬価基準コード】
ピペラシリン
◆6131403$
カルバペネム系
◆6139002$ テビペネムピボキシル
◆6139400$ メロペネム水和物
◆6139401$ ビアペネム
◆6139402$ ドリペネム
◆6139501$ イミペネム・シラスタチンナトリウム
◆6139503$ パニペネム・ベタミプロン
◆6139505$ タゾバクタム
第4世代セフェム系
◆6132418$ セフタジジム水和物
◆6132424$ セフピロム硫酸塩
◆6132425$ セフェピム塩酸塩水和物
◆6132426$ セフォゾプラン塩酸塩


【算出方法】
(分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日までの間に細菌培養同定検査が実施された患者数/広域スペクトルの抗菌薬が処方された退院患者数)×100

【解説】
不適切な抗菌薬の使用は、新たな抗菌薬耐性菌(以下、耐性菌)の出現を助長しかねません。耐性菌による難治症例の増加は世界的な問題となっており、抗菌薬適正使用を推進する取り組みが医療機関に求められています。抗菌薬適正使用の鍵は、正確な微生物学的診断であり、抗菌薬投与前の適切な細菌培養検査が必要とされています。本指標は、広域スペクトル抗菌薬投与までの間に、細菌培養同定検査が実施された割合を示しています。

※抗菌薬耐性菌とは、細菌が1つ以上の抗菌薬に対して感受性がない、つまり、その抗菌薬が効かないことを意味します。
更新履歴
2024/09/27
病院指標新規掲載
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