【第2回】今村病院 鎌田哲郎院長

dr kamada main

急性期と在宅の架け橋~地域包括ケア病棟の創設

今村病院に4月、地域包括ケア病棟が新設されます。全152床のうち、30床が地域包括ケア病棟となります。これまでの当院の強みとしての急性期部門と緩和ケア病棟はそのまま強みとして維持し、併せて、慈愛会の在宅部門の拠点という新たな役割も担っていきます。


 

 新しい地域包括ケア病棟のオープンに向けて

地域包括ケア病棟は、4つの機能を持つ新しい概念の病棟です。4つの機能とは、1)急性期で短期治療を受けた患者さんを受け入れる(ポストアキュート)機能、2)その患者さんを在宅へ戻していくための調整機能、3)在宅の患者さんの軽い急性疾患時の入院治療、4)糖尿病の教育入院など高額の治療を要しない入院治療(周辺機能)です。我々の地域包括ケア病棟では、4)の糖尿病患者の血糖コントロールや教育入院をまずはメインでやっていこうと考えています。糖尿病治療は今村病院の強みの一つであり、平成26年度の全国のDPC病院の統計では、2型糖尿病の入院患者数は全国4位、1型糖尿病の入院患者数は3位でした。病床の効果的な運用、スタッフの配置の面からも、地域包括ケア病棟をうまく活用していきたいと思います。

dr kamada sub糖尿病は動脈硬化や癌、いろいろな疾患の元になる疾患であり、多くの急性期の入院患者さんに併発している疾患です。そのため、急性期や高度急性期病院に勤務する糖尿病専門医の仕事は、心筋梗塞や外科手術で入院中の患者さんの血糖管理などサポート役の仕事の比率が大きくなっています。患者さんは高度医療を受け短期で(糖尿病の教育など受ける時間もなく)退院していきます。そのため、糖尿病は管理されぬままに、また同じことを繰り返し入院してくる羽目になります。そういうことを繰り返す患者さんが増えています。これからの医療体制の中で、教育まで含めた糖尿病入院治療をどこでやっていくかという事は大きな課題だと思います。地域包括ケア病棟で、急性疾患の危機を脱して、リハビリや糖尿病の教育が必要になった患者さんを受け入れ、自己管理ができるようしっかりと教えて在宅に戻していく。そういう形をつくりあげていきたいと思います。またかかりつけ医の先生からの、糖尿病のコントロールや教育の依頼も、従来通りの入院治療がこの病棟で行えます。

地域包括ケア病棟30床のうち10床はポストアキュートやサブアキュート、つまり急性期医療を終え状態が落ち着いた患者さんの受け入れと、在宅・生活復帰支援、および在宅や施設で療養生活している方の緊急時の受け入れ、さらに、抗がん剤治療の患者さんの受け入れなどを想定しています。サブアキュート機能に関しては、地域の医療機関とのネットワークづくりが大切です。いざという時に当院の地域包括ケア病棟を頼りにしてもらえるようなネットワークをつくれるよう、スタッフが力を付けなくてはなりません。在宅・生活復帰支援について関係する専門職がチームをつくり、患者さんのサポート力を高めていくこと、また在宅医療をおこなっているかかりつけの先生方との連携作りも取り組んでいきます。


 

強みとしての急性期医療や緩和ケア病棟

急性期部門の血液内科は、鹿児島大学病院の血液・膠原病内科学講座の関連病院として多くの患者さんをこれまで治療してきており、ATLの治療をはじめ、鹿児島県の血液疾患治療を担ってきた歴史ある科です。鹿児島大学病院の関連施設として、これまで通り継続していきたいと思っています。

消化器内科は潰瘍性大腸炎・クローン病などの炎症性腸疾患(IBD)治療の専門部署として平成27年度にIBDセンターを開設しました。鹿児島県内各所の医療機関と連携を図って、より高度で専門的な医療を提供しています。IBDや糖尿病といった慢性疾患の患者さんは、地域のかかりつけ医の先生方と専門施設とが協力して行う循環型連携が有効です。そういうネットワークをより広げ、強化し、今村病院ならではの質の高い医療を提供することで、かかりつけ医の先生方や患者さんのサポートに貢献できればと考えています。

緩和ケア病棟も、ケアの質の高さは、患者さんやそのご家族から支持されています。在宅医療との連携など、これから取り組んでいかなければならないと考えています。


 

誇りに思う スタッフのレベルの高さ

平成26年4月に看護師の配置(一般病床入院基本料)が7:1から10:1になりスタッフが少なくなった一方で、病院の稼働率は以前よりかなり上がっています。現場の負担が重くなったのは明らかですが、私が見る限り、患者さんに提供する医療のレベルは落ちることなく維持できていると思います。職員個々のポテンシャルが高いのだと思います。話し合いをしながら、無駄を削り、重要な部分に集中して力を入れていく。それぞれの現場で業務内容の改善や工夫を重ねていくという努力が続けられていると思います。そしてそれが実を結びつつあると思います。事務部門のスタッフも、若い人を中心に経営データの解析を継続的に行う部署も出来ました。病院の運営方針にかかわっていこうとする積極性のある人材が育ちつつあり、頼もしく思います。それぞれが質の高い仕事をし、また、病院への帰属意識がとても高いと感じます。そういう強みが、今村病院の誇りでもあります。


 

 新病院への想い

今村病院分院の各診療科の専門性は非常に高く、さらにこれから伸びていくポテンシャルも大きいと思います。慈愛会急性期総合型病院(仮称)のほかにも、鹿児島市内の医療機関の増改築、新築移転が相次ぎ、競争が激しくなる中でどう生き残っていくかは、病院スタッフの質の高さにかかっていると思います。今村病院分院のスタッフと医師の質の高さはブランドでもあり、いい病院になると信じています。我々今村病院としても、ポストアキュートの受け入れや、当院が強みとする分野でのサポートなど、がっちりとタッグを組んでいけたらと思います。

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