2026年1月より当院は、喜界島でのオンライン診療をスタートいたしました。
奄美大島の東側に位置する喜界島は、隆起サンゴ礁でできた人口約6,000人の島です。
島内には精神科の専門医療機関がなく、専門的な受診や治療を継続するためには船や飛行機で島外へ渡る必要があります。
患者様やご家族にとって、通院に伴う移動は身体的・経済的な負担が大きく、入院が必要な際も島を離れなければならないという切実な課題を抱えています。
奄美大島から東へ約25キロに位置する喜界島
当院と喜界島のつながりは、精神科無医地区の同島で巡回診療を開始した2001(平成13)年1月にさかのぼります。
月に一度のペースで医師とスタッフが島へ渡り、喜界町国民健康保険診療所をお借りして診療を行ってまいりました。
現在も2日間で90名余り、さまざまな症状を抱えた方々がいらっしゃいます。
島を見守り続ける手久津久集落の巨大ガジュマル(写真左)。空へと続くような直線道路「サトウキビの一本道」(写真右)
しかし、夏から秋にかけての台風シーズンや、冬場に吹く強い北風の影響による航空機の欠航など、天候不良で診療に伺えないことが長年の課題でした。
巡回診療開始から今年で25年という節目を迎える中、当院ではこれまでの対面診療に加え、新たにICT(情報通信技術)を活用した体制を構築しました。
今後はオンライン診療の導入により、物理的な距離や天候に左右されない、安定した医療提供が可能となります。
奄美病院の診察室から画面越しに診察(写真左)。喜界側の受診風景(写真右)
今回のオンライン化にあたっても、これまでの対面診療と同様、喜界町のご厚意により診療場所や通信環境を提供いただいています。
また、以前から現場を支えてくださっている役場職員の方々にも、引き続きご協力をいただき、スムーズな運用が実現しています。
喜界町のご厚意により提供いただいている診療場所。役場職員の方々と共に、温かい運営を心がけています
運用面では、利便性向上のため従来の先着順から予約制へと移行いたしました。
当面は3カ月に1回の割合でオンライン診療を行い、残り2回はこれまで通りの対面診療を実施します。
ICTを活用した利便性と、直接お会いする対面診療、それぞれの利点を活かした医療を目指します。
診療所近くで咲き誇る菜の花(写真左)。これからも皆様の健やかな暮らしを支え続けます
25年にわたり築いてきた喜界島の皆様と当院との絆を大切に、住民の方々が住み慣れた島で安心して生活できるよう、これからも医療体制の充実に努めていきます。