奄美群島民生委員・児童委員協議会の理事の皆さんが12月12日、当院へ見学に来られました。
民生委員はそれぞれの地域で住民の相談に応じ、必要な援助を行う方々で、厚生労働大臣から委嘱された「非常勤の地方公務員」と位置付けられています。無報酬のボランティアですが、行政機関や専門機関との橋渡し役として献身的に活動されています。
今回は研修の一環として、群島内の島々から理事12人と事務局の鹿児島県大島支庁地域保健福祉課職員2人が来訪されました。
「指定障害福祉サービス事業所あらいぐま」手作りのお弁当を召し上がっていただいた後、当院職員が病院の概要をご説明。病棟内や「グループホームひまわり」などを見学されました。
病棟内を歩いて見学
グループホームひまわりでは居室や食堂の様子もご覧になりました
初めて当院を訪れた方も多かったようです。病室のスペースの広さに驚く方、さまざまなグループ事業所があることを初めて知ったとおっしゃる方もいらっしゃいました。
当院を退院された患者様が地域で健やかに暮らしていく上でも、民生委員の皆さんのご理解、ご協力は不可欠と考えております。
今回をきっかけに奄美群島民生委員・児童委員協議会の皆様と当院とのご縁がつながっていけば幸いです。
またのご来訪を心よりお待ちしています。
※写真は一部加工しています。
奄美病院はこのほど、第三者の立場から病院機能を評価する公益財団法人日本医療機能評価機構の「病院機能評価認定」を取得しました。奄美大島の民間医療機関では当院のみで、認定は4回連続です。
病院機能評価事業とは国内の病院を対象に運営管理体制や提供される医療を学術的観点から評価し、質改善を支援するものです。
「患者中心の医療の推進」「良質な医療の実践1」「良質な医療の実践2」「理念達成に向けた組織運営」の4領域にわたって各評価項目が設定され、達成度別に4段階(上からS、A、B、C)で厳しく審査されます。認定を受けるには全項目でBランク以上の評価が必要となります。
当院は書面審査と訪問審査の結果、主たる機能種別:精神科病院の計84項目が基準に達しているとして10月4日に交付を受けました。うち18項目では前回より評価を1段階上げることができました。
日本医療機能評価機構の総括では「離島地域における精神科医療の中核病院として地域医療に多大な貢献をしている」「長年にわたり継続して病院機能評価を受審し、医療の質向上に真摯に取り組んでいる」などと評価をいただきました。
碩弘一朗業務課長コメント
「病院機能評価は『車検』のような感覚で受審しています。車を安全に走行させるには『車検』が不可欠なように、患者様やご利用者様を『完治』『寛解』という目的地まで安心してお届けできるよう、日々チェックし、整備・改善していきたいと思います」
認定期間は2029年7月までの5年間です。今後も慈愛の心で患者様に寄り添いつつ、さらなる地域精神医療の充実に取り組んで参ります。
12月4日から12月10日は法務省の提唱する人権週間です。
奄美病院看護部倫理委員会では毎年この時期に合わせ、職員から人権標語を募集しています。
今年の優秀作品は
1位 考えよう それは「誰の」 したいこと?
2位 認め合おう 十人十色の みんなの思い
3位 考えよう 自分の言葉 相手の気持ち
どの標語も相手の立場に立って思いやることや尊重することの大切さを訴えた素晴らしい作品ばかりです。
このうち1位の作品はポスターに仕上げ、院内やグループ事業所に掲示しました。
働く皆さんの心に少しでも思いを届けられたらうれしく思います。
青空に映えるブルーサルビア
花言葉は「尊重」
~第76回人権週間~
昭和23年(1948年)12月10日、国際連合第3回総会において、「世界人権宣言」が採択されました。
採択日である12月10日は、「人権デー」と定められています。
法務省は人権デーを最終日とする1週間(12月4日から12月10日)を「人権週間」と定めています。
いじめや虐待、性被害等のこどもの人権問題、インターネット上の人権侵害、障害のある人や外国人、アイヌの人々、性的マイノリティ等に対する不当な差別や偏見、部落差別(同和問題)、ハンセン病問題といった多様な人権問題が依然として存在しています。
これらの問題の解決には、私たち一人一人が様々な人権問題を、自分以外の「誰か」のことではなく、自分のこととして捉え、互いの人権を尊重し合うことの大切さについて、認識を深めることが不可欠です。
【法務省ホームページより抜粋】
奄美市立小宿中出身で全国高校サッカー選手権大会に出場する柳真生選手(鹿児島城西3年)の横断幕が11月27日、県道79号沿いの当院敷地前フェンスに設置されました。大会は12月28日に開幕予定。キバレ、柳選手!
鹿児島城西は11月17日の県大会決勝でインターハイ準優勝校・神村学園を1-0で破り、全国への切符を勝ち取りました。柳選手は攻撃の要となるトップ下で先発。県大会優勝は8年ぶりです。
横断幕は下方地区青少年健全育成連絡協議会が作成し、地域の皆様の目のつく場所にと当院へ掲出依頼をいただきました。設置箇所は現在建設中のグループホーム・賃貸アパート複合施設前フェンスです。近くを通った方はぜひご覧いただき、一緒に柳選手を応援しましょう!
奄美病院が隣接地に建設中のグループホーム・賃貸アパート複合施設の上棟式が11月11日、現地で執り行われました。餅投げは地域の方や当院利用者様など大勢の方にご参加いただき、無事な完成を祈願しました。
複合施設は鉄筋コンクリート造4階建ての構造。
1~3階にグループホーム、4階に賃貸アパートを整備します。
順調にいけば来春の開設を予定しています。
建設中の複合施設
施設屋上で行われた上棟式には工事関係者様や当院職員らが参列しました。
二礼二拍手一礼や乾杯でこの日を迎えられたことに感謝し、お供え物に焼酎を掛けて無事故を祈願しました。
四隅に供えられた丸餅やお米。
屋上はとっても高い!
奥に海が写っているのが見えますか?
餅投げが始まる午後5時にはナイロン袋を手にしたお子様から地域の方々まで続々と集まりました。
複合施設2階部分と隣接の研修センター2階から威勢よく餅やおひねり、お菓子がまかれると、歓声を上げながら夢中で縁起物の〝福〟を拾い集めていました。
みんなお餅は拾えたかな?大勢のご参加ありがとうございました。(右奥の建物が複合施設です)
奄美地区地域自立支援協議会の「第2回ピア交流会in奄美病院」が8月7日、奄美病院あらいぐま食堂で開かれました。精神疾患を抱える方々に地域で長く生活するための力をつけてもらおうと開催され、当院の入院患者様や通院患者様のほか、支援者、病院職員など約40人が参加しました。
今回のテーマは「わたしのトリセツ」について。「トリセツ」とは取扱説明書のことで、自分の特性や困りごとを周囲に知ってもらい、具体的な対策を考えるためのツールです。
自身の気持ちのバロメーターを①青(安定しているとき)②黄色(少し注意が必要)③赤(とても注意が必要)と信号のように3段階に分け、それぞれ「私のすること」「周囲にしてほしいこと」「周囲にしてほしくないこと」を書き出して可視化します。
この日は「黄色信号」について掘り下げました。まず当事者2名が自身のリカバリーストーリー(回復過程の語り)や「わたしのトリセツ」を発表しました。
眠れないときは
綾部大地さんは、自分の黄色信号を「悩みが多くて眠れないとき」と表現しました。解決方法としてチャットGPTを挙げ「いろいろな知識を提供してくれる。使っているうちに安心して眠れるようになる」と紹介しました。
さらに「チャットGPTは今なら無料。ぜひよろしく」と冗談を交え、会場を和ませる場面もありました。
まずは様子を見てほしい
元俊智さんは「黄色信号になるのは心がそわそわし出すとき。周りの声が気になり反応する自分に気付く。夜も寝つきが悪くなる」と分析。
作業所の職員や利用者に話を聞いてもらいながら気持ちを整理したり、頓服薬を服薬したりするなどの対策を説明した上で「自分で解決策を分かっているので周りの人は様子を見てほしい。そっとしてもらい、何かあったときに話を聞いてほしい」と語りました。
グループワークの後、全員で大きな円になって自分の黄色信号やしてほしいこと、してほしくないことなどを語り合いました。
出た意見は「眠りや食事のペースを妨害してほしくない」「話を聞いてもらいたい」など、してほしい対応は人それぞれ。解決方法として「ストレッチや軽い運動でリラックスする」「周りの人に私は調子が悪いと伝えて協力を仰ぐ」などの工夫が紹介されたほか、支援者から「たくさん話を聞いて、たくさん冗談を言う。少しでも発散してもらえたら」との声も上がりました。
さらに出席者からヘルプマークの紹介もありました。
内部障害など見た目だけでは分からなくても援助や配慮を必要としている人たちのための目印で、「困ったときは助けてくださいと知らせることができ、災害時も使える。このマークを周りに広めて、もし付けている人がいたら気に掛けてほしい」と呼び掛けました。
ヘルプマーク(左)は市役所や保健所でもらえるそうです。(※鹿児島県ホームページリンク)
終了後アンケートでは
「お互いの意見を共有する時間ができた」
「自分と同じような黄色信号の方もいて一緒だと安心した」
「参加者からマイナスの言動を言ってほしくない、話を聞いてほしいとの意見があった。スタッフとして少しでも話を聞いてあげられる環境をつくる必要があると思った」
などの声が寄せられました。
この日もにぎやかな笑い声が響き、和気あいあいとした雰囲気で進行しました。あっという間の1時間でした。
【前回のピア交流会はコチラ】
※記事内の当事者2名のお名前、写真はご本人の了解を得て掲載しています。
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