立体的な3D HDの手術画像を提供することで医師は患者の体内を覗き込み、実際に術野に手を入れて操作しているような視野を確保しながら手術を行うことが可能です。
3D HDによる高倍率視野
高倍率3D HD技術により、医師が覗きこむモニターには立体的な手術部位の拡大画像が鮮明に映し出されます。
医師がロボットアームに装着されている3本のインストゥルメントで操作することで、精緻な手術を行うことができます。
ENDOWRIST🄬 インストゥルメント
手首を持つインストゥルメントは、人間の手より大きな可動域と手ぶれ補正により、医師は安定した自然な動きで手術を行うことが可能です。
ロボット支援手術は、患者さんの体に小さな穴を開けて行う低侵襲(ていしんしゅう)の手術です。開胸手術や開腹手術に比べて手術痕はほとんど目立たず、より少ない出血量で術後の痛みも軽くなります。
当院では2022年4月より「ダビンチ サージカルシステム(以下ダビンチ)」を使用してのロボット支援手術を開始しました。ダビンチによるロボット支援下手術はIntutive surgical社のトレーニングを受けて術者や助手の資格を取得した医師が行います。
手術というと、執刀医が手術台のわきに立って行うイメージが強いかもしれませんが、ダビンチによる手術は、術者が「サージョンコンソール」と呼ばれる操縦席に座って行います。3Dモニターで体内の立体映像を確認しながら、手元のコントローラで、ロボットアームに装着された鉗子やメス、内視鏡カメラを遠隔操作します。助手は器具の出し入れ、手術のサポート、患者様の安全確認を行います。
最初に述べました通り、小さな切開部だけで行う手術ですので出血量が少なく、術後の回復が早いのが患者さんにとって大きなメリットだと思います。
当院では「腹腔鏡下手術」を数多く実施しています。身体に開けた小さな穴から内視鏡を挿入し、中の様子をテレビモニターで確認しながら、別の穴から挿入した器具で病巣部を摘出するものです。
直接臓器に触れない遠隔操作による手術という点で2つの手術は類似していますが、ロボット支援手術は患者の傷がより小さく治りが早いのが特長です。
また、術者の視点で述べますと、ロボット支援手術は腹腔鏡下手術と比較して格段に精緻な動きが可能です。例えるならば、腹腔鏡下手術は“さいばし”を使って行っている感覚と表現できます。それに対しロボット支援手術は「術者が小さくなって実際に身体の中に入り、患部の前で手術を行っている」ような感覚です。この感覚を文章で表現するのは難しいのですが、ロボット支援手術はそれほど繊細で緻密な操作が可能なのです。
当院では現在、前立腺がんおよび腎がん、直腸がんの治療を目的とした手術を行っております。
先々は、膀胱がんの治療として膀胱切除、結腸がんの治療として結腸切除も行うことを視野に入れています。
患者の負担が少ないロボット支援手術のニーズは、ますます増加していくと推測します。
まず当院においては、ダビンチによる手術件数を増やし、着実に成果を上げていきます。
そして、泌尿器科、外科・消化器外科で対応できる対象疾患を広げるだけではなく、院内のさまざまな診療科とも連携し、今以上に多くの患者さんを治療できる体制を整えていきたいと考えています。
微力ながらも、ダビンチによるロボット支援手術が地域医療を支える一つの柱になることを目指していきたいと思います。
従来の開腹手術と比較して
開腹手術における切開部
従来の腹腔鏡下手術と比較して
ダビンチ手術における切開部
従来の開腹手術と比較して
従来の腹腔鏡下手術と比較して
腹腔鏡手術と同様にカメラを腹腔内に挿入し、4か所のカニュラと呼ばれる筒を腹壁に留置します。操作用のロボットアームをカニュラに挿入し剥離操作やリンパ節郭清、血管切離を行います。切除した直腸は臍部の小切開創から体外に摘出します。
従来の手術と比較して
従来の手術と比較して
当院では、「ダビンチ」手術に関するご質問・お問い合わせにつきましては、099-251-2221(代表電話)でご連絡をお受けし、各科担当者におつなぎするシステムをとっております。
手術に関しましては、(かかりつけ医の紹介状をお持ちいただき) 各科に受診、「ダビンチ」手術担当医へご相談いただくことになります。また、お問い合わせの内容によっては(担当医師不在等により)当日お答えできない場合もございますので、何卒ご了承願います。
※紹介状がない場合は選定療養費7,700円(税込)をご負担いただきます。
※初めて当院を受診される方は、病院ホームページをご覧ください。