薬剤師は、患者様に質の高い医療を提供するため、
医師・看護師など、あらゆる職種の職員とチームを組んで日々努力しています。
当薬剤部では、調剤、医薬品管理、製剤、抗がん剤・高カロリー輸液の調製、薬剤管理指導、薬品管理、薬物血中濃度モニタリング、医薬品情報業務および治験など、患者様に最適な薬物療法を提供することを目標に日々業務を行っています。
当院の各病棟には薬局サテライトが設置されており、入院時の持参薬の確認、服用歴やアレルギー・副作用の有無の確認、ベッドサイドでの服薬指導や薬物療法の効果判定、病棟での薬剤管理、メディカルスタッフへの医薬品の情報提供など多くの病棟薬剤業務を実施しチーム医療へ貢献しています。また現在では診療報酬で評価されている手術室や特定集中治療室に特化した薬剤師配置も10年以上前から既に実施しています。
薬剤師研鑽体制は、各認定・専門薬剤師指導の下で医薬品に関する研修会や処方検討会を定期的に行い知識や技術の向上に努め、法人全体の薬剤部合同研修会や各種学会での発表、さらに専門性の高い薬剤師の養成を目指し認定取得や院外研修への積極的な支援も行っています。内容につきましては「研修・研究活動」の項をご参照ください。
地域連携については、年に2回慈愛会薬薬連携交流会を主催し、当院の院外処方箋を応需している調剤薬局との連携を図っているほか、近隣薬局とも毎月1回薬薬連携会議を開催し、患者様に対する最適な薬物療法を入院外来で途切れさせることのないような地域連携構築に努めております。今後も地域連携を深化させ病院内にとどまらず、地域医療における中心的な役割を果たすべく近隣の医療機関や地域調剤薬局との連携を進めていきたいと考えております。
最後に、当院薬剤部職員は最良の医療を患者様に提供できるチーム医療の一員、また地域医療の担い手としての研鑽を怠らず、職員一丸となって日々業務を遂行してまいります。
なお、就職を希望される薬学生・薬剤師の方は、職場見学が可能です。就業条件についても柔軟に対応いたします。ご連絡をお待ちしております。
2023年11月
今村総合病院薬局長 鬼丸 俊司
内服・外用・注射業務
外来患者様は原則院外処方せんとなりますので、主に入院患者様の処方せんの調剤を行っています。
処方せんの内容をチェックし用法・用量、併用禁忌などを確認し、患者様の薬を払い出しています。
患者様が安心して治療を受けられるよう、正確で安全な調剤を日々心がけています。
無菌調製業務
外来・入院患者様の抗がん剤による治療が安全に行われるために、指示事項を確認するとともに、曝露防止対策として「安全キャビネット」を使用して、全ての抗がん剤の無菌調製を行っています。
また、骨髄移植前に行う前処置療法では、夜間に抗がん剤投与を行うため、24時間体制で調製しています。
病棟薬剤業務
当院は平成24年5月より病棟薬剤業務実施加算を行っています。
薬剤師の活動する場も、病棟等広範囲にわたるようになり、配薬後における患者様の服薬指導はもとより、配薬前における薬の再確認、持参薬や入院治療において特に注意が必要な薬剤の確認等も行っています。また、各病棟カンファレンスに参加し、患者様の治療の状況を多職種と情報を共有して、問題解決に取り組んでいます。病棟によって専任薬剤師を二人配置して、より専門性を高めています。
チームカンファレンスへの参加
患者様に安全・安心な医療をお届けするために、現在、感染制御チーム(ICT)、がん化学療法チーム、緩和ケアチーム、栄養サポートチーム(NST)、褥創ケアチームへ参加しています。
日本医療薬学会 | がん専門薬剤師 | 1名 |
日本病院薬剤師会 | がん薬物療法認定薬剤師 | 1名 |
日本臨床腫瘍薬学会 | 外来がん治療認定薬剤師 | 2名 |
日本化学療法学会 | インフェクションコントロールドクター(ICD) | 1名 |
日本病院薬剤師会 | 感染制御認定薬剤師 | 1名 |
日本病院薬剤師会 | 精神科薬物療法認定薬剤師 | 1名 |
日本静脈経腸栄養学会 | 栄養サポートチーム(NST)専門療法士 | 4名 |
日本医療薬学会 | 医療薬学専門薬剤師 | 1名 |
日本病院薬剤師会 | 日病薬病院薬学認定薬剤師 | 17名 |
日本薬剤師研修センター | 研修認定薬剤師 | 3名 |
日本薬剤師研修センター | 認定実務実習指導薬剤師 | 3名 |
日本アンチ・ドーピング機構(JADA) | スポーツファーマシスト | 3名 |
毎年行われている、院内研究発表会や、慈愛会薬剤部合同研修会への研究発表に加え、学術大会などでの発表も積極的に行っています。
「当院におけるオビヌツズマブ+ベンダムスチン療法の現状と薬剤師介入の必要性について」
「エダラボンによる急性腎障害発現の危険因子解析」
第29回日本医療薬学会年会(福岡)
「当院における閉鎖式薬物輸送システムの全面導入による抗がん剤複数回使用の経済効果」
「造血細胞移植における周術期等口腔機能管理介入前後でのオピオイドの使用実態の調査」
日本臨床腫瘍薬学会学術大会2019(札幌)
「当院におけるメロペネム使用による臨床的安全性の評価」
「エダラボンによる急性腎障害発現の危険因子解析」
第3回鹿児島県病院薬剤師会学術大会(鹿児島)
「新病院移転を機会に開始した薬薬連携の取り組み」
「イブリツモマブチウキセタンによる免疫放射線療法における薬剤師の関わり」
日本臨床腫瘍薬学会学術大会2018(横浜)
「ICUにおける担当薬剤師の薬物療法への介入の変化について」優秀発表賞受賞
「新病院移転を契機に行った業務改善による病棟薬剤業務の変化」
第2回鹿児島県病院薬剤師会学術大会(鹿児島)
「向精神薬多剤併用を減らすための試み」優秀発表賞受賞
第1回鹿児島県病院薬剤師会学術大会(鹿児島)
「抗真菌薬併用時の同種造血幹細胞移植患者におけるタクロリムス投与開始翌日の血中濃度の検討」
第37回日本造血細胞移植学会総会(神戸)
「病院における後発医薬品導入の現状と課題」
後発医薬品安心使用のための研修会(鹿児島)
「造血幹細胞移植患者におけるホスカルネットナトリウム水和物の使用状況調査と安全性の検討」
第35回日本造血細胞移植学会総会(金沢)
「当院における処方疑義照会」
第74回九州山口薬学大会(北九州)
「後発医薬品に変更したことで得られた作業効率化と費用対効果」
医療マネジメント学会 第10回九州・山口連合大会(別府)
「同種造血幹細胞移植患者のタクロリムスの静脈内投与から経口投与への変更に対する検討」
第33回日本造血細胞移植学会総会(松山)
「持参薬確認に関する病棟スタッフの意識調査」
第71回九州山口薬学大会(別府)
「今村病院分院における持参薬確認の現状」
医療マネジメント学会 第8回九州・山口連合大会(福岡)
2022年度入職 A.K.さん
早いもので入職してから一年が過ぎようとしています。入職してすぐの頃は分からないことばかりで不安な毎日でした。しかし、先輩薬剤師から優しくご指導して頂いたことで、その不安も解消し、少しずつですが関われる業務が増えていき、現在では調剤業務、抗がん剤無菌調製、病棟業務など多くの業務に携わらせて頂いています。
病棟業務では、他職種との関りが格段に増え、チーム医療のなかで薬物療法の知識のみならず他職種の業務内容など多くの知識が必要となりました。また、より良い病棟業務を行うためにはコミュニケーション能力が重要であることを実感しています。
まだまだ知識も経験も未熟で右往左往する毎日ですが、患者様やご家族に寄り添ったより良い医療を提供できるようこれからも日々精進していきたいと思います。
2021年度入職 T.K.さん
薬剤師として幅広い分野や疾患に携わりたい希望があり、当病院への入職を決めました。
入職当初はわからないことが多く不安な気持ちもありましたが、先輩薬剤師による丁寧な指導やご助力のもと、業務にあたり約1年半が経ちました。調剤業務や抗がん剤無菌調製、最近では新型コロナウイルスのワクチン調製等、多岐にわたって業務を行い、やりがいを感じています。特に病棟業務を行うようになってからは、医師や看護師をはじめとした他職種との関りが増え、病院薬剤師としての存在意義や専門知識の重要性を改めて実感する日々です。経験が浅く未熟ですが、患者様や多職種の方にとって信頼できる薬剤師となれるよう、精進していきたいと考えています。
薬剤師歴6年目 Y.N.さん
慈愛会に入職して6年目となりました。奄美病院、いづろ今村病院と勤務し今年度より当病院で勤務しております。現在は、いづろ今村病院在籍時に取得した感染制御認定薬剤師として、総合内科病棟を担当し、感染制御に日々尽力しています。また、抗菌薬の使用量増加に伴う薬剤耐性菌の増加に対応すべく、抗菌薬の適正使用の面からASTメンバーとして医師感染症専門医や感染管理特定認定看護師、臨床検査技師と共にそれぞれの専門的知識と経験をもちより、活動しています。感染だけでなく、がんや精神科領域等、様々な資格を持つ薬剤師が在籍し各分野の専門性を活かしながら働いているため、先輩のアドバイスを受けながら働くことで、各種認定取得を目指す事ができる素晴らしい環境が、当院薬剤部にはあると思います。
見学については、随時対応させて頂いております!
病院薬剤師に興味を持たれた方、一緒に働いてみたいと思われた方は、下記までご連絡をお願いします。
今村総合病院 電話番号:099-251-2221(代表)
薬剤部 吉永まで
2025年4月1日入職の方へのご案内は、下記よりご覧ください。
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