前立腺肥大症の治療法

前立腺肥大症治療の新しい選択肢

HoLEP(ホルミウムレーザー前立腺核出術)

加齢とともに多くの男性が悩まされる「前立腺肥大症」。排尿の勢いが弱くなったり、トイレが近くなったりと、日常生活に支障をきたすことも少なくありません。

当院では、この前立腺肥大症に対する最新の治療法 HoLEP(ホルミウムレーザー前立腺核出術) を導入しています。

HoLEPとは?

HoLEPとは、高出力のホルミウムレーザーを使って、肥大した前立腺組織を内側から核出(くり抜く)する内視鏡手術です。メスを使わず、尿道から専用の内視鏡を挿入して手術を行うため、身体への負担が少なく、回復も早いのが特徴です。

HoLEPのメリット

  • 出血が少ない
    レーザーによって同時に止血しながら切除するため、従来の手術に比べて出血量が少なく済みます。
  • 再発のリスクが低い
    前立腺の中心部をしっかりとくり抜くため、再発のリスクが低いとされています。
  • 長期的な効果
    経過観察のデータからも、長期間にわたって排尿状態が改善されることがわかっています。
  • 体への負担が軽い
    高齢の方や持病をお持ちの方でも受けられる場合があります。入院期間も比較的短くて済みます。

このような方におすすめです

  • 頻尿・残尿感・排尿困難などが続いている
  • 内服薬では十分な改善が見られない
  • 繰り返し尿閉を起こしている
  • より根本的な治療を希望されている

よくある質問(FAQ)

  • Q1. 手術は痛みがありますか?
    A. HoLEPは全身麻酔または腰椎麻酔で行うため、手術中に痛みを感じることはありません。術後も必要に応じて痛み止めを使用し、苦痛を最小限に抑えます。
  • Q2. 入院期間はどのくらいですか?
    A. 一般的には3~5日程度の入院が必要です。ただし、術後の経過や合併症の有無によって個人差があります。
  • Q3. 高齢でも受けられますか?
    A. はい、HoLEPは比較的安全性が高く、出血も少ないため、高齢の方や持病がある方にも適しているとされています。ただし、全身状態に応じて判断します。
  • Q4. 再発の心配はありませんか?
    A. HoLEPは肥大した前立腺組織を根本からくり抜く治療のため、再発リスクが非常に低いとされています。長期的な効果が期待できる治療法です。
  • Q5. 性機能に影響はありますか?
    A. 勃起機能に影響が出ることは少ないとされていますが、射精時に精液が外に出にくくなる「逆行性射精」が起こることがあります。日常生活への支障はありませんが、妊娠を希望される方は事前にご相談ください。
  • Q6. 術後の生活にはどんな注意が必要ですか?
    A. 手術後数週間は激しい運動や長時間の入浴、飲酒などは控えていただきます。また、一時的に尿に血が混じることがありますが、多くの場合は自然に改善します。医師の指示に従っていただければ問題ありません。

ご相談ください

HoLEPは、保険適用の治療です。当院では専門の泌尿器科医が丁寧に診察を行い、患者さま一人ひとりに最適な治療をご提案します。

「最近トイレが近い」「尿が出にくい」と感じたら、我慢せずご相談ください。
前立腺のトラブルには、早めの診断・治療が大切です。

Rezum(レジーム水蒸気治療)

「夜中に何度もトイレに起きる」「尿の勢いが弱い」「残尿感がある」――こうした症状でお悩みの方は、前立腺肥大症の可能性があります。

当院では、低侵襲(ていしんしゅう)かつ日帰りも可能な治療法として、Rezum(レジーム)治療を導入しています。

Rezumとは?

Rezumは、水蒸気(蒸気エネルギー)を利用して前立腺肥大組織を縮小させる、新しい治療法です。
尿道から細い器具を挿入し、前立腺の肥大部分に高温の水蒸気を注入。数週間から数か月かけて前立腺が徐々に小さくなり、排尿症状が改善していきます。

Rezumのメリット

対象患者基本的に合併症のリスクが多く、全身麻酔下の手術が難しい方や寝たきりの方などに有効です。

  • 身体への負担が非常に少ない
    手術ではなく、出血もほとんどなく、日帰りまたは短期入院での治療が可能です。
  • 性機能を温存しやすい
    勃起機能や射精機能への影響が少なく、性機能を重視する方にも適した治療法とされています。
  • 治療時間が短い
    実際の処置は数分で完了。麻酔の負担も少ないため、高齢の方にも適しています。
    ただし、術後1ヶ月程度は膀胱留置カテーテルの設置が必要です。
  • 再治療も選択可能
    必要に応じて他の治療への移行も可能な柔軟性があります。

このような方におすすめです

  • 軽度〜中等度の前立腺肥大症と診断された
  • 内服薬での効果が不十分、または副作用が気になる
  • 性機能を温存したいと考えている
  • 長期間の入院や手術には抵抗がある
  • 高齢で体力に不安があるが、症状を改善したい

よくある質問(FAQ)

  • Q1. 治療は痛くありませんか?
    A. 多くの方は局所麻酔や軽い鎮静で治療を受けられます。処置自体は数分で終わり、術中の痛みはほとんどありません。
  • Q2. 入院は必要ですか?
    A. 一般的には3~5日程度の入院が必要です。ただし、術後の経過や合併症の有無によって個人差があります。
  • Q3. すぐに効果は出ますか?
    A. 水蒸気による組織の変化には時間がかかるため、効果の実感には数週間〜数か月かかることがあります。
  • Q4. 性機能への影響はありますか?
    A. Rezumは性機能を温存しやすい治療法です。射精や勃起への影響は少ないとされています。
  • Q5. 再治療が必要になることはありますか?
    A. 経過中に症状が再発した場合は、再度Rezum治療を行うことも可能です。また、HoLEPなど他の選択肢に切り替えることもできます。

ご相談ください

前立腺肥大症の症状は、年齢とともに少しずつ悪化することがあります。早めの診断・治療で、快適な日常生活を取り戻すことが可能です。

「これって歳のせいかな…」とあきらめず、まずはお気軽にご相談ください。