回復期リハビリテーション病棟

回復期リハビリテーション病棟とは

回復期リハビリテーション病棟とは、急性期治療を終えた患者様を対象に、早期の日常生活動作自立をめざし、社会復帰することを目的としたリハビリテーションを、集中的に実施する病棟です。患者様一人一人の生活スタイルを考慮し、さまざまな職種がチームとなってその人らしい生活を取り戻すサポートをします。
 

当院の強み

●専門性の高いリハビリの提供

リハビリ科医(指導医・専門医含む)が常勤5名、非常勤1名在籍し(2023年2月現在)、より効果的で質の高いリハビリを提供します。

●施設外訓練や訪問指導(入院時訪問指導、退院前訪問指導など)の実施

早期より生活の場を確認し、実践的なリハビリにつなげます。退院前訪問指導ではPT,OT,Ns,医療ソーシャルワーカーなど多職種で介入しています。

●スムーズな退院へ向けた支援

医療ソーシャルワーカーが常駐し、社会資源の活用など個々に合った相談支援を継続的に行います。

 

病棟の紹介

回復期リハビリテーション病棟でのリハビリ頻度・時間

リハビリスタッフによる個別のリハビリを1日あたり最大3時間実施し、病棟においても病棟スタッフとともに移動や排泄、更衣などの生活行為の練習を行います。また、それぞれの目標達成に向けた自主練習も実施できます。
病棟とリハビリセンターが同じフロアにあり、移動しやすく、自主練習も行いやすいです。

 1日の流れ

回復期リハビリテーション病棟での過ごしかた(例)
7:00 起床
7:15 着替え
7:30 洗面
8:00 朝食
9:00 理学療法
10:30 病棟での日常生活動作練習
11:00 自主練習
12:15 昼食
13:30 作業療法
15:00 言語聴覚療法
17:00 着替え
18:00 夕食
21:00 消灯・就寝
●食事

朝食8:00  昼食12:30  夕食18:00
病棟担当の管理栄養士が、リハビリ効果を高めるための栄養管理を行っています。食事の内容についても患者様ひとりひとりの嚥下状態を考慮した食事の形態で提供しています。

 

●更衣

回復期リハビリテーション病棟では日中は普段着(自宅で着ている服)で過ごします。
衣服を朝夕着替えることで生活リズムを整え、生活動作の中で実践的に更衣動作訓練が実施できます。

 

●入浴

介助浴については、週3回シャワー浴を実施しています。家庭用の浴槽も設置しており、実際の場面で浴槽への出入りなどの練習を行うこともできます。
お一人で入浴できる患者様は日祝以外、別室で毎日シャワー浴が可能です。


 

 

患者様に関わるチームの紹介



 
医師

回復期病棟は、リハビリセンターが同一フロアにあり、チーム全体でいつでも患者様の情報を共有できるようにしています。医師も病棟に身をおき、入院生活・リハビリ場面双方の状態を把握し、リハビリの効果が最大限になるよう導いています。今村総合病院には日本リハビリテーション医学会専門医が3名おり、高い専門性でより的確なリハビリの提供を実践しています。前を向いて、一緒に進んでゆきましょう。

看護師

日々の入院生活もリハビリ訓練と考え、日常生活を患者様が自力で行えるように支援しています。また、退院にあたって家屋訪問に同行し、それに合わせた援助や退院指導を行うよう心がけています。患者様が安心して退院後の生活を送れることを目指して、多職種連携を図りながら看護を展開していきます。また、さまざまな障害を有する患者様の思いに寄り添いながら慈愛の看護を実践できるよう日々心がけています。

介護福祉士・看護助手

病気や怪我の影響で体がうまく動かせなくなった患者様の介助をしています。私たちは「できないこと」を介助し、「工夫すればできること」はリハビリスタッフと情報を共有しながら自立ケアに繋がるよう支援しています。また、入院中の生活だけでなく、自宅退院後のサポートとしてご家族への介護指導も行っており、患者様もご家族も安心して退院後の生活を送れるようお手伝いいたします。

理学療法士(PT)

起きる・立つ・歩くなどの日常生活に必要な身体機能の改善へ向けて支援いたします。改善した身体機能を速やかに生活場面へ反映できるよう多職種と連携を取りながら、スムーズに退院後の生活へ移行できるようサポートしていきます。

作業療法士(OT)

機能の改善をはかりながら、生活行為の獲得を目指します。
院内のリハビリだけでなく、退院後の環境に合わせて積極的に生活場面へと足を運び、支援を行います。
また、手の機能訓練に特化した「タイロモーション アマデオ」というロボット機器も導入しており、自主練習の時間で使用できます。

OTブログはこちら

言語聴覚療法士(ST)

失語症、高次脳機能障害、音声・構音障害、嚥下障害のある患者様に対し、これからの生活を見据えた、実践的なリハビリを提供しています。嚥下障害に関しては、必要に応じて医師とともに嚥下内視鏡検査や嚥下造影検査など客観的な評価を行い、根拠あるリハビリの提供に努めています。

医療ソーシャルワーカー

入院相談の患者様、ご家族様の意思決定にあわせて多職種と連携を取りながら、社会福祉制度やサービス内容の説明といった支援や退院後の在宅生活や就労に関する相談支援も継続して行っています。

管理栄養士

治療食から術後食や残存嚥下機能に応じた嚥下調整食など幅広い食事に対応しています。入院中の患者様の栄養状態を定期的にチェックし必要に応じた適切な栄養管理に努め、自宅でも適切な食事摂取を続けることができるように栄養相談も行っています。

薬剤師

入院時の持参薬鑑別、腎機能に応じた薬物使用量の確認等を行い、医師への疑義照会、情報提供を通じて、最適な薬物治療を行えるよう努めています。また、退院時には服薬指導を行い、退院後も薬物治療を継続していただけるようサポートしています。

歯科医師・歯科衛生士

患者様一人一人に合ったお口のケアのアドバイスを行っています。またご自身でのケアが難しい場合は歯科医師・歯科衛生士による専門的なケアを行い、お口の衛生状態の改善や誤嚥性肺炎の予防に努めています。

義肢装具士

私たち義肢装具士(PO)は、患者さまの回復状況に合わせて主治医の指示のもと理学療法士・作業療法士と連携をとり装具の製作を進めていきます。製作してからの適合や調整のタイミングがとても重要になってくるため、色々な意見を出し合いながら回復にむけた最適な状態を作っていけるように日々心がけて取り組んでいます。

 

~入院から退院までの流れ~

 

入院相談

入院されている病院の転院調整の窓口にご相談ください。

入院時面談

入院当日にご家族様もご一緒に来院ください。

病状を確認したうえで、医師より入院やリハビリテーションの計画などをご説明させていただきます。

入院時訪問指導

ご希望や必要性に応じて専門のスタッフがご自宅を訪問します。入院早期に退院後の生活環境を把握することで、自宅退院を見据えた、より具体的なリハビリテーションプログラムを検討することができます。

リハビリテーション

入院当日よりリハビリテーションを開始します。

カンファレンス

毎月カンファレンスを実施します。
主治医・看護師・セラピスト・医療ソーシャルワーカー・介護福祉士(看護助手)・栄養士・薬剤師など多くの職種が参加し、病棟内での生活状況の確認、状態の変化や退院後の生活について情報を共有し、効果的なリハビリテーションが行えるように話し合いを行います。

面談

毎月、ご家族と患者様を交えた面談を行います。医師・看護師・リハビリスタッフから現在の状況や治療経過をお伝えし、患者様・ご家族の希望を聞きながら退院へむけて話し合いを行います。

退院前訪問指導

適切な時期に、ご希望や必要性に応じて、専門のスタッフがご自宅を訪問し、退院後に安心して生活ができるよう、生活環境の調整(住宅改修や福祉用具の選定)や動作、介助方法などのアドバイスを行います。

退院へ向けて

入院生活から在宅生活へ、スムーズに移行できるように医療ソーシャルワーカーを中心として、ご家族や福祉サービスの担当者など、退院後に患者様と関わる方々と連携しながら準備を進めます。

退院

病院や施設へ転院となる場合は、状態に応じた医療機関や介護施設・福祉施設をご紹介させていただきます。