OTブログ

  • 2023.01.16

    目指せ自宅退院

    今回脳梗塞により、片麻痺を呈した患者様(以下、Aさんと呼ばせて頂きます)への取り組みをご紹介します。

    Aさんは入院前、専業主婦として家事全般、また趣味である料理やお菓子作り・ガーデニングなど様々なことを行っていました。しかし今回の発症により、入院当初はベッドから起き上がったり、立ったりすることや身の回りの動作に介助が必要な状態でした。リハビリを継続し、現在は自分で起き上がったり、立ったりすることができるようになり、身の回り動作も監視~自立レベル、移動は車椅子自己駆動自立・短距離の伝い歩き自立レベルまで回復しました。
    ある日Aさんは「家に帰りたい・・でも車椅子じゃ帰れないよね・・」と悲しそうに笑いながら私に話をしてくれました。そして今回、車椅子でも工夫すれば家で生活できるということを実際の場面を見て確認するためにAさんと一緒にご自宅を訪問させていただきました。
    実際の家屋状況は、段差や部屋の入り口幅が狭いなどといったバリアが多い状態でした。
    「この部屋の入り口は車椅子が入れない!」→手すりを繋げて短い距離を伝い歩きする。「トイレ前に6㎝の段差がある!」→手すりを設置して横に跨ぐ。「この微妙な段差が車椅子越えられない!」→ミニスロープをつける。などと1つ1つ問題点を挙げて、Aさんの現在持っている能力を活かしながらどこにどのような福祉用具が必要かご本人、ご家族、福祉用具業者、そして作業療法士で話し合いを進めていきました。

    このように私たち作業療法士は患者様の家屋状況を把握し、問題点を挙げその問題点に対しどのようにしたら住み慣れた自宅で生活を送れるか、福祉用具やその他代償手段を考えに考えて、患者様本人やご家族に提案します。そしてリハビリでも当院自慢の日常生活動作練習室を使用し、より自宅に近い環境の中で動作練習を行っていきます。
    日常生活なので1日24時間、365日行うこと。毎日毎日頑張らなきゃ生活できない環境、福祉用具に頼りすぎる環境、そのどちらでもなく必要なところに必要なものを選択する。それがとても難しく、そしてやりがいを感じるところだと私は思います! 
    安全に、そして、Aさんらしい在宅生活を送ってほしいと願います!
    作業療法士(OT)松元 美沙紀

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