臨床検査科

臨床検査科紹介

採血から結果報告まで※40分以内を目標に迅速で正確な検査データを提供すべく日々努力しています。臨床検査科は11名(女性技師7名、男性技師3名、検査補助者1名)で構成されており、血液や体液、尿などを材料とする検体検査、患者様に直接触れて体の状態を調べる生理機能検査を行なっています。(※一部検査を除く)

信頼されるデータを提供できるよう、電子カルテシステムと臨床検査技師の確かな目でのチェックを何重にも行なっています。
認定超音波検査士、日本睡眠学会認定技師、細胞検査士、国際細胞検査士、認定血液検査技師、認定輸血検査技師、認定心電図専門士等の認定、資格取得を推進するとともに患者様に寄り添った検査を施行できるよう接遇教育にも力を入れています。

認定資格を有する臨床検査技師数
  • 認定超音波検査士 3名(検診領域2名、消化器領域2名、血管領域1名)
  • 有機溶媒作業主任者 2名
  • 特定化学物質四アルキル鉛等作業主任者:2名
  • JHRS認定心電図専門士 1名
  • 日本睡眠学会認定技師 1名
  • 国際細胞検査士 1名
  • 毒物劇物取り扱い責任者 1名
  • 認知症サポーター養成講座 受講者 9名

当科ではスタッフ全員が意欲的に意識改革、業務改善に取り組み最良最適な医療サービスの提供を目指しています。

臨床検査科の理念

患者様の安全を第一に優先し、プロとしての自覚、向上心を忘れず、正確かつ迅速な検査、患者様が安心して検査が受けられるような丁寧な対応、環境、情報を提供します。

精度管理体制

検査結果値の正確性を継続するために実施しています。

内部精度管理

毎日決められている標準物質を測定して正しい検査結果報告がされることを確認します。

外部精度管理

外部の施設と比較しても正しい検査結果報告がされることを確認します。

参加状況(2023年)

  • 日本臨床衛生検査技師会精度管理調査           A判定
  • 鹿児島県医師会臨床検査鮮度管理調査           ○
  • 鹿児島県臨床検査技師会データ標準化事業         A判定
  • 各医療機器メーカーコントロールサーベイ         ○

生理機能検査

心電図(FUKUDA電子 FCP-7541)

心臓の検査で、不整脈や心肥大・狭心症・心筋梗塞などがわかります

負荷心電図

階段の上り下りを繰り返し行い、脈拍が上昇した時の心電図の変化を見る検査です。
労作によっておこる狭心性や不整脈がわかります。

LP心電図(微小心電図検査)

通常の心電図では記録できない微小な心電図(遅延電位)を記録します。心臓突然死や失神の原因となる重症不整脈の発生リスクを予測する検査です。健康診断などでブルガダ症候群や原因不明の失神の可能性が疑われる場合の精密検査に行なわれます。 15分から20分間心電図を測定しますが、患者様の様子や心拍数によって前後します。

ホルター心電図 (FUKUDA電子 FM1300)

24時間の心電図を記録します。日常生活の一過性の不整脈や虚血性疾患などがないか調べる検査です。

携帯型心電計(OMRON携帯型心電計HCG801)

異常を感じた時に自分で計測をする検査です。誰でもいつでもどこでも計測できる簡便な検査です。だいたい2~3週間小さな心電計を貸し出すことになります。

肺機能検査(Spiro Sift SP-370)

肺から出入りする空気の量などを測定して、肺の働きをみる検査です。呼吸器疾患の重傷度を調べ、大きな手術の前に肺の働きをチェックするために行います。
基本検査として肺活量と努力性肺活量検査があります。
肺活量検査は肺が一度に取り込める空気の量を測定し、努力性肺活量は息をいっぱい吸い込んだ後に、力一杯息を吐き出すその勢いを測定します。痛みなどの苦痛を伴うことはありませんが、患者様の精一杯の協力がなければ正しい検査結果が得られない検査です。
検査の際、担当技師が詳しく説明し、声で誘導させていただきます。

24時間自由行動下血圧測定(ABPM)

専用の血圧計をつけて24時間過ごし、30~60分毎の血圧を記録します。
家庭では測定が難しい起床・睡眠・活動等の環境変化に伴う血圧の変動をみることができます。起床後急激に血圧が上昇したり朝の高血圧がその時間帯における脳卒中や心臓発作発症との関連が深いことが報告されています。外来・病棟どちらでもできる検査です。

PWV(formBP-203RPEⅢ)

動脈硬化性疾患の早期診断のための指標となり高血圧、高脂血症、糖尿病、心筋梗塞、脳梗塞等疾患郡の動脈硬化の進展を推進します。
自覚症状がないことから「沈黙の殺人者」と呼ばれる動脈硬化ですが、簡単に発見できる方法があります。それが「PWV検査」です。この検査では、あお向けに寝た状態で両腕・両足首の血圧と脈波を測定します。時間は15分程度で、血圧測定と同じ感覚でできる簡単な検査です。結果もすぐに出るので、その場で医師から診断が受けられます。
この検査ではつぎの3つを測定します。
  • 動脈の詰まり
  • 動脈のかたさ
  • 血管年齢

FMD(UNEX EF39)

FMD検査とは血流依存性血管拡張反応(Flow-mediated dilation)の略称です。
動脈硬化になる一歩手前の血管内皮機能状態を知ることで、動脈硬化の早期進行リスクを評価します。五分間腕を駆血(血圧を測るときみたいにしめます)して、開放した時に血流量を増加させます。血流量の増加により刺激された血管内皮より放出される血管拡張物質に反応しておこる血管の拡張量を観測します
この「血管内皮機能」を診ています。
FMD検査を行うためには様々な注意事項があります。ご了承ください。
(絶食・絶飲・運動に関する禁止事項など)

超音波検査(GEヘルスケア Vivid S60/ CANON Aplio 400)

超音波で診断したい臓器にむかって機械を当て、その反射を映像化することで臓器の状態を見ます。

心臓超音波検査

心臓や血管の動きや形・血液の流れを調べることができる検査です。心肥大、心拡大、心筋梗塞とその範囲などが診断できます。弁の形や動きから、心臓弁膜症とその程度を判定します

頚動脈超音波検査

脳に繋がる大事な血管である頚動脈のつまりや動脈硬化の程度を詳しく調べることができる検査です

下肢血管超音波検査

足にある深部静脈血管に血栓(血のかたまり)があるかどうか調べる事ができる検査です。矢印の部分が血栓(血のかたまり)です。赤い部分には血液が流れています。血管が細くなっているのがわかります。この血のかたまりの一部が血流にのって肺に流れて肺の血管を閉塞してしまう(肺塞栓)危険があります。これを深部静脈血栓症/肺塞栓症といいます。

腹部超音波検査

腹部臓器の状態を調べる検査です。胃や腸、肝臓、胆嚢、膵臓、腎臓、脾臓、大血管の様子を観察することができます

検体検査

生化学検査(BM6050)

血液中のAST・ALT等の酵素や蛋白質・脂質・電解質・炎症など感染症を自動分析装置による迅速検査で行っています。

免疫学的検査(富士レビオルミパルスL2400)

血清成分を用いてウイルス性肝炎の抗原、抗体・腫瘍マーカー・甲状腺ホルモン・心疾患マーカー等
11項目を測定しています。

末梢血液検査(XN-1000)

自動血球計算装置を用いて血液中の細胞(白血球・赤血球・血小板)などの数を測定します。
主に次のような項目を測定します。

  • 白血球     → 細菌、ウイルス感染
  • 赤血球、Hb濃度   → 貧血
  • 血小板     → 出血傾向

白血球や赤血球、血小板などの細胞成分の形態を検査します。

一般検査

尿検査(US2200)(UF5000)

尿は健康状態を確かめる大切な指標です。
尿中の各種細胞、たんぱく、糖などによって体の基本情報をさぐる検査です。
腎臓や膀胱の異常、糖尿病、肝臓病などを発見する手がかりとなります。

便潜血反応

癌やポリープなどの病変が大腸などに発生すると便が通過する時に生ずる物理的な刺激で出血することがあり、この出血の有無を調べます。日本人の食生活の変化により増加傾向にある大腸癌の検診に有用です。

髄液検査

髄液の蛋白、糖、細胞数や種類を検査し各種の神経系疾患、髄膜炎、脳室内の出血、くも膜下出血などを鑑別します。

体腔液

腹水、胸水など病的に溜まった体腔液が、滲出液か濾出液かを区別します。

骨髄検査

骨髄は血液細胞(白血球、赤血球、血小板)を産生している場所で、非常に未熟な細胞からあらゆる成熟段階の細胞が詰まっています。正常な状態では、充分に成熟した血球のみが血液中に流出してきます。骨髄検査をすることで骨髄の造血機能や血液疾患の原因、さらに腫瘍細胞の有無が明確になります。また、血液疾患の診断や治療法の選択・治療効果の判定においては必須な検査となっています。骨髄検査は、胸骨や腸骨に麻酔して針を刺し、骨髄液を採取します。

輸血検査

病気の治療や手術には輸血が必要となる場合があります。輸血を行う前に患者様の血液と輸血に使用する血液を反応させて、輸血による副作用を起こさないよう検査しています。その他に、急を要さない手術に備えて自分の血液を採取しておき、必要時に自分自身にその血液を使用する自己血保存もしています。

検査実績

検査名 2020年度 2021年度 2022年度
生化学検査 44,200件 42,264件 44,676件
交差適合試験 950件 734件 654件
不規則抗体検査 536件 497件 395件
血液型検査 367件 465件 758件
心電図検査 10,236件 11,007件 11,148件
肺機能検査 4,450件 4,791件 4,719件
心臓超音波検査 693件 887件 1,009件
頸動脈超音波検査 734件 958件 823件
下肢静脈・動脈超音波検査 108件 122件 159件
ホルター型心電図検査 33件 34件 54件
24時間自由行動下血圧測定 58件 41件 54件